Tida-Tiger

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INSPIRE 陰陽師 感想

inspire2020.jp

 

見てきました。推し初日兼千秋楽!

発表当初は推しで観劇納め&観劇始め出来るじゃん!!と思ったのですが、キャストスケジュールが出たら、推しは12/31のマチソワのみで…!
大沢たかおさんが久々に舞台主演をされる、他にも豪華キャスト勢揃いで、こんな絶対行きたいのに行けないかもな事ってあるぅ?!とテンパり

梅田芸術劇場のネット会員(2,000円)に登録しました。

無事に最速先行でチケットが確保できて良かった…。

 

受け取りをぴあ店舗にしていたのですが、店舗は12/30から年末年始のお休みに入りまして。なくすと嫌だから近い日で発券しよう~と油断していたので、死ぬほどビビりました。

まあなんだかんだ無事に発券し、入場出来たので良かったです…!

 

ではざっくりと感想を書いていきます。

ネタバレ注意です。

あいかわらず、番手を無視して推し単体の感想が一番後ろ。しかもその後ろに、腐女子の覗く感想があるので、色々気をつけてください。

 

物語についてと総合的な感想

あらすじ
平安時代。謎の日食が続く京の都。
この異常現象を祓うべく、陰陽師安倍晴明大沢たかお)が立ち上がる。
当代きっての歌人蝉丸(山本耕史)が見守る中、
月姫との婚礼を明日に控える盟友の藤原兼家(古川雄大/村井良大
と共に臨んだ御霊会で悲劇が起こった──。
渦巻く悲しみ、後悔、嫉妬の念……。


時は令和。千年の時を経て、再び謎の長期日食に襲われる。
人々の心に棲みつく陰の気。
それを利用しようとする、謎の存在・芦野道隆(田口トモロヲ)。
彼に傾倒する心理カウンセラー・河瀬景子(山本千尋)。
このままでは世界は闇に包まれてしまう。
この未曾有の危機を防ぐことができるのは、彼しかいない。
一千年の時を超え、平安を生きた晴明、現世に顕現す──。
月姫と瓜二つの少女(長澤樹)も現れ、混沌に陥る世界で、
蝉丸の導きにより、安倍晴明藤原兼家の運命が再び交錯する。
北斗(松岡広大)、南斗(鈴木仁)ら式神たちの協力を得て、
晴明は繰り返される悲劇を食い止めることができるのか?

 

INSPIRE 陰陽師【公式】- 晴明、祓う。- STORYより

という。平安から続く千年の因縁の物語を、この令和の未曾有の状況に重ね合わせ、それを祓うことで、一つの救いを生むような物語でした。多分かたしろのようなものでもあるのかな。見立てて、厄を移し、祓うという。

話の取捨選択や、感情の流れがうまく、イリュージョンや音響設備などを思う存分に活用して、五感を惹きつけてくれる、シンプルにエンターテインメントとしてのクオリティが高かい作品でした。
シルク・ドゥ・ソレイユが大好きなので、なんか…久し振りにこういうテンションの作品が見られて泣いた。
芝居はもちろん、いろんな演出や技術でゴリゴリに魅せてくれる~~!! お金がかかってる~!! たーのしー!! Foooooo!!!って言えないのつら~~(コロナのため)

心療内科医がコールドリーディングにひっかかってる…!とか、細かいところに突っ込み始めたらキリがないのですが、個人的には細けぇ事はいいんだよって感じ。楽しけりゃいいんだよ!!

そもそも晴明はビーム打たない。背負わない。

 

演出・技術について

さまざまなイリュージョンや、はちゃめちゃデカいLEDパネル、トニー賞の音響デザイン賞を受賞した立体音響設備など、楽しいものをふんだんに使っていて楽しかったです(語彙力)

普通にそれぞれ一つずつでも面白いし凄い!
その上で、イリュージョンや衣装の仕込みで、小さな手元・足もとを、パネルや音響で舞台上、劇場全部を際立たせて、それを有機的に組み合わせてるので、ずっと五感が楽しいんですよね。

LEDパネル、本当にデカい。舞台上を取り囲むように配置したパネルと、天井につけた円形の照明設備の底の大きく丸いパネルが連動して動く。
視野をぐるりと囲むような映像演出は、ステージアラウンドで一応(プロジェクションマッピングだったかも)見てます。TOHOシネマズのIMAXも、音響と大きな画面という点では似ている。
でも、天井部分までカバーしているのは初めてで…。
レディ・ベスの星座盤の舞台機構にも近く、天井にあるだけではなくて、60度?程度に傾いて、客席側に映像面を見せる事もあるので、映像だけにとどまらない動きがありました。

あとファイバービームね! 昔のレーザーってめちゃくちゃ目に悪い印象があったのですが、これは目に優しいです。
なので結構客席側に向いて照射される。舞台奥側の装置と、天井照明装置にもついていて豪華でした。

音響システムも面白かった~~~!! 

昔関わったお仕事で、ヘッドホン用のバイノーラル編集ソフトのSound xR(多分)(この系統の別のかも知れない)を使って貰ったことがあるのですが、それとにた感じなのかな。
ハード自体や出力結果と、システムをゴリッと噛み合わせることで、より簡便に劇場で立体音響を出来るというのが面白い。
簡便、とはいえ。それをどう使うかは演出の腕にかかっていますし、普通の音響よりも手間暇がかかるだろうし、スピーカーを置かないとそもそも話にならないんですよね。
冒頭で鈴の音を劇場内で走らせて、立体音響とはなんぞやというのをしっかり聞かせていたのが面白かったです。

開場前のアナウンスで、新しいものめっちゃ使ってるけど健康に害はないから安心してね!!という異例のアナウンスが流れてて笑いました。
舞台専門だとマジで見慣れないし聞き慣れないもんなあ…。

こちらの写真を見ると、舞台機構がだいたいわかります。

 

なんか、こういうこと言っていいのかわかんないんですけど。

 

「もしかしたら」、ってことがあるこの時期じゃないですか。
その「もしかしたら」の一番目にぶち当たって、推し主演大舞台大千秋楽最前列チケットが紙になったし、他の作品も見られなくなったから、余計思ってしまう。
それに、やっぱり劇場に足を運ぶ人って減ってるんじゃないかな?とか思っちゃうんですよ。公演したとしても、これまでのようにはいかない。

でもそんな中で、ひるまずこれだけの設備を整えたわけですよ!

お金かかってますよ~(By推し)トークライブ配信より

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その設備をフル活用した作品を、キャストスタッフ全員で作り上げたってこと自体が、すごい。泣いちゃいます。ありがてぇなあ。

この作品を、演劇を守るためにも、観客として出来ることは精一杯やって、とにかくかからないように、いろんな形でお金を使っていきたいと思います。

 

キャスト感想

眠いのでガチ主要キャストのみ…。

大沢たかおさん

存在感…そして……癒やし。
なんですかね。やわらかい口当たりの声だけど、きちんと心や意味を伝えてくれる感じで、未知なるものの存在を知る晴明の雰囲気がとても伝わってきました。

現代の姿もかっこよかったなあ。「チョベリグ」「ぴえんこえてぱおん」などの小ボケもキュートで最高でした。

 

田口トモロヲさん

悪いイケオジ、大好きです。

現代での蘆屋道満ポジのキャラクターを、存在感たっぷりに演じていました。出ている時間自体は短いのに、しっかりと大沢さんの晴明とタイマンはって、兼家を翻弄していくのがかっこいいです。

 

山本耕史さん

背負わせすぎやろ。

ギャグのターンやお歌など、たくさん…たくさん見所があるッ……!!背負わされているッ…! あくまでも従者としての立場はしっかり見せつつも、芝居や歌の良さで魅力的なキャラクターに仕上げていて、とても素敵でした。

 

村井良大さん

うえっ…好き……!!

やっぱりアイラインばっちり引いてると神級のイケメン…普段ももちろんイケメンだけど、舞台映えが段違いになる…。

平安時代のお衣装かっこいい~~~!! ロン毛! 揺れものが多いと殺陣が楽しい。
現代衣装のロングコートも最高でした。ロングコートに両刃直剣…よい…。

兼家は晴明のことしか見てなくてカワイイ。先生は患者と一緒にメンヘラになってくれそうでカワイイ。大変可愛かったです。

現代での不安定な様子の表現がとてもよくて、繊細な心が見えるようでした。記憶を取り戻す際のコンテンポラリーダンスもかっこよくて…視線や手のひらに物語を感じました。バリバリに形を整えていくと言うよりは、自分のしたい表現を丁寧に模索していく感じ。
でも、パンフレットを見たら「自分はダンスが出来ない」と言っていた…人と比べたら、数はこなしてないかもしれないから、そういうのも仕方ないのかなあと思いつつ、オタクの欲目的には、ポテンシャル高いし振りうつしも爆速だからな!出来るよ!!好きだぞ!!好きだぞ?!キミのダンス!!!タップダンス見たいよ~!!

あと上半身を今も育てているのか、かっこよく筋肉がついてきて、とても素敵でした…。上着を脱いでタートルネックになったときのシルエットが美し~!

また今年も追いかけるのが楽しみです!!

 

 

腐女子的妄言

タイトルコールちゃんとしてるんだから、苦手な人はちゃんと逃げて。

 

 

 

 

男と男の愛の話だった…なあ……。

もちろん、厄を祓うという大きな流れはきちんと完遂され、そこにカタルシスがあるんですけど。

男(晴明)と男(兼家)の千年を超える愛の因縁が強すぎて、終始イイ笑顔で観劇していました。

月姫(兼家の婚約者)の呼びかけを無視して晴明に話しかける兼家

死ぬ間際まで愛を見せつけないで欲しい。
しかも月姫、兼家に執着するあまり軽く闇落ちしてるし…ヒロインをヤンデレ化させる愛。

 

二人の心がふれあうときに天井に現れる陰陽マーク

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陰と陽について表したマーク。
ブラックデイズの解決のために、陰陽二つの気の調和を目指すという物語とも大きく通じるマークなのですが、兼家と晴明がふれあってるときしか出てこない。

芦屋さんと対峙する時に出てくるかな…と不安になってみていたけど多分出てなかった。

記憶を失った兼家と晴明がふれあうときは、丸い目の部分が消えたマークになっています。

やっぱり二人の為のマークじゃん!!!!!!???!!!

もの凄い機材を使って示される愛のマーク。やばい。

ちなみに陰陽和合は相反するものが調和すること、転じて男女の交合を意味するようです。

 

歴代蝉丸に受け継がれる心残り

兼家に告げられなかった本心があり、それが晴明の心残りになっているかもしれない……と、初代から27代蝉丸まで連綿と受け継がれているのめちゃめちゃ面白いなと思いました。

しかもその心残りが、たとえ結婚してしまってもどんなときもずっとそばにいるよ…(意訳)みたいな…。ええ……。

そして晴明は、千年を超えてその本心を兼家に伝えに行くんですよ…

ええ…?(困惑) そんなすごい愛を…見せつけられて…。

 

 

いろんな意味で、こんなすごいものを年末に見ていいのだろうか…!!となったこの作品。古川くん版のチケットも買おうか滅茶苦茶悩んでいます。

この作品が、これからの演劇の礎となっていくことを願ってやみません。