最近見た舞台感想詰めだよ~~~~~!!!
ウェスト・サイド・ストーリー 来日版
来日版の感想! だいぶ前に見ましたね。
久々のステアラは、10列通路脇でした。とりま不満なく見えたので良かった。
作品はシンプルに滅茶すごかったな~!!!! 歌が上手い!身体が厚い(胸周りが…)!!高く飛ぶ!!!お話も映画そのままで、映画好きな人は絶対行ってほしいな…ってなりました。
個人的にベルナルド亡き後のアニタの心情を思うと辛くてしんどかった…。自分の恋人を殺した相手のもとに、義妹の為におもむくのも辛いし、そこでの仕打ちが酷すぎる。レイプされかけるって。アメリカの自由を明るく歌っていたアニタが、あんなに心をズタボロにされるなんて辛い。
映画版でも辛くてあの辺から見れなくなるんですけど、舞台だと生で…しかも外国の方だから男性陣がデカいでしょ…怖いんですよあそこ…すげーこわい。
あとジェット団に入りたがっている男勝りの女の子も、その様子を囃し立てるので、「男になるってそういうことなの?!?!」って泣いてしまった。
そういう話がしんどい人は気をつけた方がいいです。
あと個人的に考えたこと。
ステアラって舞台が回る!ってのがすごいんじゃなくて、それによって、セットの移動を考えなくて良くなるから、めちゃめちゃ重みのあるリアルなセットを設置したままにできるのがすごいんですよね。
ウエストサイドストーリーもセットがすごかった。もちろん客席に対して見えやすいようにパースがついてる部分もあるけど、住めるレベルの緻密さで作りこんであるんですよね。
でも正直、そこまでの解像度って本当に必要なんだろうか?って思うところもある。
舞台って、想像で広がる部分もあるので。
ただ、前に
「なんで漫画やアニメを実写化するのか。それは、リアルな存在じゃないと感情移入出来ない層にも物語を届けるためだ」
っていうのを見かけて。もしかすると、リアルな舞台美術は、実写化と同じように、そういう層にリーチしやすいのかな?とは思いました。
難しいなー。
Indigo Tomato
すごい良かった…
まず極個人的な感想から行くと、構成が美しくて好きです。
あのね、京極堂シリーズだと魍魎の匣と絡新婦の理あたりのが好きなんですよ。なんでかと言うと、モチーフになっているもの、匣の入れ子構造や蜘蛛の巣の形が、作品の構造と重なるからなんですね。狂骨はタイトルではないけれど、右脳と左脳のイメージとの重なりがすごく好きで。
Indigo Tomatoは、数学的なもの、特に円、円周率が作品のモチーフになっているのですが。それが物語の構造にも重なっていた。本当に、大団円、って言葉を、こんなにただしく描き上げたラストもないなと思いました。
円って、ものすごくものすごく頂点の多い多角形みたいなもんなんですよね。円周率が延々と続くのは、ものすごく頂点を多くした多角形として描き続けるから、みたいな。まあ私数学ほぼほぼ分からんので、ふんわりしたこと言いますが。
六角形が好きだ、って拘っていたタカシが、相手の「(円が)好き」を認め、人との触れ合い、人という点と点を繋いでいくなかで、自分の居場所を見つけて、最後には円周率をそらんじる。それがとても美しいなと思いました。
舞台セットも好きだったなー! クールな雰囲気もあたたかい触れ合いも表現出来るのがすごかった。これはウェストサイドストーリーとは真逆な、想像させるセットな部分が大きいかなと思いました。
キャストさん感想。
平間壮一くん。まじ凄い。感情の表現も好き! あとダンスを深く愛して、自分の身体を制御する力を得たからこそ、自分では止められない多動やチックの演技が出来るんだろうな、って思いました。
もちろん、演じる対象をしっかり観察するのは大前提なんですけど。学んだそれを、自分の身体で実現させるのって本当に難しいことなので。どう動かせば何が出来るか、をよく知ってるからこそ、演じられるものってあると思った。
そーちゃんのことは意外と長く見ていて。推しているわけではないので、ファンの方のまなざしにはもちろん及ばないのですが。
ALCURDやWASABEATS、ソウガ、ロミジュリ…とダンスから芝居、歌へと、どんどん役者さんとして伸びていく様子は見させていただいていたので、そういった意味でも感慨深かったです。
まーくんまーくん大山真志くん。LLLぶり~~~~1ヶ月も経ってないな。
LLL記事で「そろそろおもろい系じゃない芝居が見たい」って書いてたので、今回のキャラクターはまじで良かったです。歌が上手いなーとか、ほんと舞台に映える身体だなぁってのはデカい。でも、その中でも、感情の表現がよかったなぁと思いました。
ハーフで、世の中に居場所がないっていう苦しさ、見返してやる!っていう気持ちがすごい熱くて…こういうヒリヒリする感情のキャラクターもすごい良いなぁと。
根が素直な熱い良い奴キャラをやることも多いけど、本人の心の熱さの中には、きっと悔しさとかそういうのもあると思うし、同時にそれを冷静に演じる力もあると思うので、また見たいなと思いました。
彩吹さんはキム恋ぶりかな?? 「女性たち」の表現が最高でした…!
タカシたちを置いていってしまうお母さんの、苦しくて寂しくて、自分の心すらどうしようもなくなってしまった感じが切なかった。あと先生や、通りすがりの女性たち。ローズも含めて、全て雰囲気や生き様、そこにある思いが違うのが、歌声からも感じられて素晴らしかったです。でもどこか、他人に対しての優しさも感じさせる。そんな、彩吹さんだからこその彼女たちになっていたと思います。
弟くんもジュース屋のお姉さんも良かったなあ…弟くんは歌声の高音が不安定なのがちょっと心配だったんですけど、それとは別にショタボイスがやたらうまくてドキドキしました。タカシが弟として大切にしているところや、気持ちのすれ違い、きょうだい児の痛々しさがより感じられた。
演出も芝居も全部素敵でした。
I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-
パトリオティズム~って感じのオーストリア大好きミュージカルで楽しかった! 郷土愛、その国土やそこで培われた文化、そしてそこにいる人たちへの温かい眼差しが感じられました。
オーストリアの人気曲が使われてるらしい?けどさすがにわからないという。ジュークボックスミュージカルの系統にあたるのかも知れないけど、知ってる曲があまりないので、そこでテンションあげられなくてちょっともったいない見方をしてしまったなぁと思いました。実はジャージーボーイズは辛うじてわかるけど、beautifulはあんまりわかんないし…。
たまきちさんの男っぷりがあがっていた…自然かつイケメン。大型犬可愛くかっこいい。ライビュでのトートぶりで、普通の男の子キャラを久々に見たのもあり、こんなに生き生きとしたイケメンでもあるのか…!!という感動を覚えました。声とかも、無理なくかっこよく伸びやかで、すごいかっこいいなと。
美園ちゃんのお歌が好きだった! 聞きやすいし、深みがある感じがしました。あとパブロの剃りこみが好き。
なんかほがらかで楽しかったです。
LLLの一色さんの話
本当はさーーーーキャスト全員の感想を改めて書きたかったんだけど、ちょっと書き切れないので一色さんの芝居が良かったって話しだけ書いておく。
一色さん演じるボイエットの芝居がホント好きだ…
推し殿もガチめにインタビューで聞いててわかりみ深し…ってなった。
💗『ラヴズ・レイバーズ・ロスト -恋の骨折り損-』キャスト突撃インタビュー🎥⑯
— 東宝演劇部 (@toho_stage) 2019年11月17日
最後の最後に…「一色洋平」さん‼️
突如、村井良大さんからのサプライズを受け思わず号泣の一色さん。「演技の源」についてを聞かれ…?#ラヴズ #一色洋平 #村井良大https://t.co/b1yz6b2osN pic.twitter.com/lUg1CYsbr9
なんかねえ、人と人、キャラクターとキャラクターの心の反射の中にしっかりある、人の間にある「人間」という存在そのもの、って感じのお芝居をされるんですよね。
LLLで普段は推し殿を見ているんですけど、ある日ふと、推し殿達が女の子達に求愛するシーンで一色さんのボイエットを見たら、とても悲しそうな顔をしてて。それにぎゅーっっと胸を掴まれて泣いてしまった。
ボイエットははじめから「男と女のすれ違い」と「素直になれば良いのに」って言うことを歌っているんですよね。女の子達のそばにいて、彼女たちのことをよく見ていて。彼女たちが男の子達を罠にかけようって話をしているときは、「本当にそれでいいの?」って見つめている。だから、間違った相手だと気付かずに求愛する男の子達と、それを笑う女の子達の様子を、悲しそうに見ている。女の子側にいるけど、彼女たちが本当に望んでいるものが、(自分たちをないがしろにした)男の子達を出し抜いて勝利することじゃないっていうのがわかっているから。そして多分、男の子達が傷つくことも知っているし、それが女の子達の望みを遠ざけてしまうこともわかっているから。どちらも素直になれなくなっていく。「目には目を、ペテンにはペテンを」は男の子達が道化のフリをしたから、女の子達は仮面を交換したんだ、ってだけじゃなくて、お互いに素直になれない、って意味もあるんじゃないかなって思った。
んでね、その後のロザラインが、自分の後悔を歌う時。ボイエットは微笑んでるんですよ…。ロザラインは悲しいって気持ちだし、単純にそれを見て共感するなら、悲しいって顔をするもんだと思うんですけど、ボイエットは(そしてそれを演じる一色さんは)、ようやく彼女たちが素直になれたことを嬉しく思っているんですよね。
それがほんと、よくて。ボイボイママ…ってなってしまった。
ご本人の優しくも聡明な眼差しも素晴らしいし、お芝居の流れや相手の心をしっかりと見つめて、でもそれに寄り添うばかりではなく、自分自身の心を(そういう芝居を)きちんと見せていくところがすごいなあ…って思いました。
一色さんは刀ステでもめちゃ評判でしたね…!? すごいなあ…ボイボイママから以蔵さんに…
つまりは良い役者さんに出会えてよかったなあと思ったという話でした。