Twitterでちらっと、舞台感想の書き方に迷っている方をお見かけしたので、自分なりの書き方を簡単にまとめてみたいと思います。
大前提
・全部書ききれるものじゃない
・どうあがいても主観は混ざる
・自分だから書けることは必ずある
当たり前体操~~~~~でも案外悩んじゃうポイントでは?!
正しく書こうとか考えると、このあたりが引っかかって、書き進められなくなり、結局没にしちゃうことがあります。
正直正しいとかなんとかよりは、楽しく・自分らしく書いたらいいと思うよ! 知らんけど!
それぞれについての簡単な説明!
全部書ききれるものじゃない
舞台は沢山の人が、舞台美術などともに、リアルタイムで演じる為、情報量が凄まじいコンテンツです。見る時点でもう目が足りません。
なので、そもそも、1人が舞台の全てを書ききれるものじゃないと、自分にわからせておきましょう。
おなじ舞台を見たことがない人にまで、完璧に届けようとすると苦しいよ。
無理して書こうとすると筆が止まるぞ!
どうあがいても主観は混ざる
自分が見て、考え、書いた時点で、主観は混ざります。
他人が実際に舞台を見た時に、その人自身が受けとる情報や感情を、自分の感想文でそのまま想起させることは不可能です。
そのものを書きとることは出来ません。
自分で「これが作品の本質だ!」って思って書いたとしても、だいたい違う(そもそも役者と演出家とでも違うこともある)ので、そこは踏まえつつ、わきまえつつ、好きに書くと良いと思います。
自分だから書けることは必ずある
全て書くことは出来ない。そのものを書くことも出来ない。
だからこそ、自分だから書けるものが必ず生まれます。
それは他の人には、絶対にマネの出来ないことです。
オタクが他人に提供できる一番のライブコンテンツは、好きなものに狂っている姿です。
誇りを持って、楽しく、狂いながら、自分の思ったことを書いてください。
※感想の感想とか来ることもありますが、他人があなたの人生を背負ってくれることはないので、テキトーに無視しましょう
※あと私自身はネガティブな話をしないポリシーで生きてますが、その辺も好きにしたらいいと思います。自己責任かつ他人に迷惑をかけない範囲で。
感想の構成
大前提をまとめたところで。感想自体の構成について話していきます。
・自分の認知特性を知ろう
・好きなところから書いていい
・構成の例、何個か
自分の認知特性を知ろう
急に話が飛ぶけど結構大事なことなんで!!!
認知特性とは、目や耳などの感覚器から入った情報を理解・整理・記憶・表現する「方法」で、六つのタイプに分かれます。
見たり聞いたりしたものの記憶の仕方、表現の仕方についての傾向です。
割とありませんか? 推しの手振りを覚えていることが多い人、声を覚えている、物語の流れを覚えている…など。
他の人と話していて、この人はちょっと記憶の仕方が違うな、思い出し方が違うな、と感じること。
現在あまり論文がなく、一人のお医者さんが提唱しているだけなのを差し引いても、実感としてあるんじゃないかなーと思います。
で。これを知ると何がいいか。
自分が思い出しやすい、書きやすい方法で感想が書けるようになります。
簡易式の認知特性テストはこちら。
寅太の結果
グラフの網掛けの部分よりも内側(~14点)は弱い認知特性、
網掛けの上(15~25点)は一般的な認知特性、
網掛けよりも外側(26点~)は強い認知特性を示します。視覚優位者 写真(カメラアイ)タイプ
→写真のように二次元で思考するタイプ視覚優位者 三次元映像タイプ
→空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ言語優位者 言語映像タイプ
→文字や文章を映像化してから思考するタイプ言語優位者 言語抽象タイプ
→文字や文章を図式化してから思考するタイプ聴覚優位者 聴覚言語タイプ
→文字や文章を耳から入れる音として情報処理するタイプ聴覚優位者 聴覚&音タイプ
→音色や音階といった音楽的イメージを脳に入力するタイプ※詳細については下記の書籍をご覧ください。
[出典] 本田真美医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン光文社新書, 2012年
私は、空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプかつ、文字や文章を映像化してから思考するタイプ。
見たものから言語化するのも比較的得意です。
写真タイプはシーン、聴覚言語タイプは台詞で覚えるのが得意そう?
全体的に分類がわかりづらいですが、そこは「どの設問で自分がどう答えたか」を参照しつつ、こういう傾向なのかな~と把握するといいかなと思います。
好きなところから書いていい
上記の認知特性からわかるのは、自分の記憶・表現の傾向だけでなく、他人は違う特性を持っていることがある、ということです。
つまり、誰かの感想の書き方を参考にしなくてもいい!
自分が覚えているところから書けばいいし、好きだ~~~ってところから書いていいんです!
「推しの顔が良かったことしか覚えてない…」
わかる。
それ書けばもう立派に感想だと思う。
で。
推しの顔が良かった……って書いたあと、もしかすると、
「○○って台詞を言ってるときの顔が良かった」
「眉の下がり方が良かった」
「歌声が良かった」
「手を上下して表現してるのが良かった」
「その時の照明の当たり方が良かった」
って出てくるかも知れない。
出てきたらさらにそれを書けばいいし、出てこなくてもいいし。
ホンマ、好きだ~~~~ってところから書いてください!!
構成の例、何個か
ゆーて急に振られても困る……というのはあると思うので、いくつか構成の例を出したいと思います。
はてブで見かけるような気がする雰囲気をノリで抽出しただけなので、自分のブログ以外はモデルはないです。
ざっくばらんタイプ
・どこに行ってきたか(時期だけの場合も)
・推しが良かったところ
・好きだな…となる
推しの名前を伏せてたりすると、あまり細かい事を語れないので、ざっくりかつざっくばらんに、好きだったところを上げていく感じになるかなと思います。
でも愛がほとばしっている事が多いので、読んでいてニコニコします。
箇条書きタイプ
・作品の情報
・時系列順(思い出した順)に箇条書き
割と多い気がする?
思い出したところから書きつつ、自分の感情についても書いていく感じです。
記録タイプ
・舞台の概要(公演期間や劇場、役者名、あらすじなど)
・見に行った日の状況
しっかりと記録をつけていくタイプです。
感想本文については、
A.物語の流れに沿って書く
B.キャストごとに書く
など、思い出しやすい形で書いている感じかな。
私はキャストごとに、特徴的だったシーンや芝居をあげて書いていく派です。最後に推しのことを長く長く書きます。
例:ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損- 感想 - Tida-Tiger
ただ記録だけじゃなく「自分はこういう価値観があるので、こういう感じ方をした」という個人的なものも書くのが特徴と言えば特徴。
小論文タイプ
記録タイプに加えて、物語や関係性の考察とかはじめちゃうタイプです。
これを書く人は、そもそも書き方に悩むとかないと思うので、別にふれません。
上記の通り、結構種類があります。十人十色、一人一ジャンルって感じです。
最終的に何が言いたいかというと。
読書感想文が好きでなかったりと、感想にあまりいい記憶がない人や、
ちょっと気負いがありすぎて感想を書けないという人も、
全然!気兼ねせずに!!好きなこと書いたらいいと思うよ!!!
ちなみに。
私自身、推しの作品の感想を読んで「これはちょっと違うな…」ってなることも多いです(こだわりが強いので)。
でも、いろんな感想が出てくること自体はいいことだと思ってます。
舞台って生もので、映像に残ることもそう多くなくて。日々現れては、随時消えていってしまう芸術なんですよね。
だから、沢山の人の目から見たその物語を、沢山の人が書き残していくことは、すごい意義のあることだと思うんです。終わった後に興味を持った人が、ほんの少しでも作品について知ることが出来る、それを愛した人の言葉にふれることが出来る、って、素敵じゃないですか。
まあでも、そんな堅苦しいことは、どうでもいいことでもある。
シンプルに言えば、君が好きなものに狂ってるところをもっと見せてよ。ってことです。
みんな舞台感想書こうぜ!!!