Tida-Tiger

好きなものだけ好きなだけ。

サンセット大通り 安蘭&平方ペア

サンセット大通りに行って参りました。

 

全く前情報を入れないままでの観劇。曲も何も聞いていないし、設定も知らない状態です。元々JCSが好きなので、曲は好きだろうな~という程度。それなのに何を思ったのか、SS席の最前(サイドなのでB列)でした。いつ買ったんだろうこれ。

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でも本当に見応えがありましたッ…一つ一つの表情を丹念に見ることが出来て……

組は安蘭けいさんのノーマと平方元基くんのジョー。

安蘭ノーマの愛らしさや不安定さに心を掴まれ、それを優しさと欲得のために無下に出来ない平方ジョーに共感し、妙に愛おしくなりました。二幕冒頭の、平方ジョーによるサンセットブールバードの独唱は、本当にひりつくような気持ちが感じられて……。ノーマとの関係が、彼女自身の為にも良くないことはわかっているけれど、自分のために手首を切る彼女を突き放せないし、夢見た「成功」の一つの形を手に入れてしまって、抜け出せなくなっている。ベティとの間に見ていた、もう一つの「成功」の夢も切なくて…。脚本家としてあの場所にいた彼なら、きっと本当は、脚本家として素晴らしい作品を作って、認められて、財を成して……という、ベティとノーマが分けて持っていた「成功」を自分の手で掴みたかったろうなと思うと、辛くなってしまいます。サンセットブールバードの、揺れながら高まり、崩壊の欠片の尾を引いていくようなメロディが、そのまま胸に刺さります。

でも結局これは、痴情のもつれみたいな、若いツバメが愚かにも死んで、老女が狂っていっただけの、よくある話として、作中の人々には伝わっていくのだろうなとも思うと、各キャラクターの心情なんて本当にちっぽけでもあるんだなという気持ちにもなって…。なんだか少し寂しい気持ちにもなりました。

あとこれを見て、クリミナル・マインドのシーズン6 #8『銀幕の女王』が、こちらの作品(大本の映画の方)をベースにしたのかな? と少し思いました。ラストの、シリアルキラーを撮しに群がる記者達を、映画撮影やレッドカーペットの記者に見立てるシーンが似ています。銀幕の女王は確か、映像的にも古めかしいテクスチャや構図を多用していて、シリーズの中でも独特な演出をされていた記憶があります。

案の定曲が好みだったので、今度また映画の方を見たり、CDを買ったりしたいと思います…。