来て、見て、書いた。

自ら足を運び目にしたものを書く方向性。

RENTの終わった月曜日

「終わった。」

そうコリンズが言った時に、真っ先に気付くマークが好きだった。

 

RENT2017、大千秋楽、おめでとうございます。

この作品に関わったすべてのキャスト、スタッフの皆様方が、元気に57公演を完走できたこと、とても嬉しく思います。

 

ああ~~~~~~~~~~~~~~~夏が!終わってしまった!!切ない!!

 

なんかこう、RENTという作品や、それを愛する人たちの情報量と熱量が多すぎて、本当に「何から話そうか(書こうか)」悩む状態です。基本的に文章の構成はそんなに下手じゃないし、サクサク出来るんですけど、コレに関してはこう、優先順位を付けて構成し直すのが難しい…全部熱い、全部愛しい。

 

雑感を、つらつらと。

 

大千秋楽、全員全力で素晴らしい舞台でした。

冒頭。ユナクロジャーが登場した時の歓声もすごかったけれど、村井マークが登場した時の歓声も凄まじく、拍手も、それこそ割れんばかりのといった様子だった。そして、それが止むまで、静かに、穏やかに客席を見つめているマークの眼差しが本当に優しくて。大好きだなあって思った。

RENT。この曲を聴くと毎回泣いてしまう。マークがモーリーンからの電話を受け取って「OK、すぐ行くよ!」という台詞が、今回は「ああもう!」と言った風情で、Tango:Maureenで振り回される様子を彷彿とさせて良かった。それに続く「どうやって断ち切るのか 心深く刻まれた傷跡」という、迫り来るような歌声。どうやって断ち切る?と聞く癖に、胸の痛みを強く思い出させるそれが辛くて、でも大好きだった。「生きてきた日々の痛みが ボクを引き裂いていく」と胸元を掴むマークの姿も。乗り越えたつもりなのに、どうしてまだこんなに痛むんだろう。

やばい、この調子で全部のナンバーについて書きそうだ。いまはちょっとやめとこう。

そう言えばずっとジョアンヌがWe'er Okeyで言ってた「ジル」がずっと謎だったんですけど…あれモーリーンの浮気(未遂)相手なんですね…。あとRENTで珍しく上の方を見ていたら、モーリーンが移動中に千葉ちゃんにモーションかけていて、キミ根本的に浮気性なんだね?!となりました。

Tango:Maureenで、「酷い」「酷い」「浮気した」の後のマークの歌い方が、「浮気した…(暗めに同意)」から「浮気した?!(驚愕)」に変わった気がするんですけど、それもWe'er Okeyの「マークに隠れて浮気してたって?!」の「隠れて」を受けてた……のかな。でもその前にマークは「それどころか…(上着を脱いで浮気を暗喩?)」してる…浮気性なのは知ってるけど、ガチで浮気してるとは思ってなかったのか。

大楽は比較的フラットに見ていたつもりなんですけど、やっぱ終盤にかけてズビッ…てしちゃいました。

Goodbye Love。全員の感情が爆発するシーンですが、やっぱり、マーク…マーク…。「そうボクだけ生き残る、ひとり」で、マークの声が日に日に喪失の痛みを増して、潤み、震えていくのが本当に好きだった。

そこからのWhat You Own。そこまでズビズビで耐えていた*1のですが、もう、大号泣で。「魂捨てろ」で、手を伸ばして捨てた魂を…自分自身、尊厳、創りたいものを、見ていられない!という風に顔を背けるのが本当に辛くて。でもその後の「本当の自分になるために」「ひとりじゃない」と歌う表情のすがすがしさが愛しくて。

WYOは胸に来るんですけど、説明が難しくて。何だろう、人と共にある事を肯定しながらも、自分である事も受け入れていて。でもそれは我執とはまた違う感じで。自分自身である事=自分に執着することや我を通すこととは違う。でも創り出すこと、愛し続けることは自身が確かに行うもので。WYOを聞いてはハッとして、やりたいことを見つける気がするんですけど、やっぱりまた闇の中に戻って行っちゃう…作品を思いついたり、コレだ!って思ったのって、別に常時持続する訳じゃないですからね…持続してると思うならそれは多分躁病だから、病院行った方が良いですよ…。

重松宗育さんの「アリス、禅を語る (こころの本)」が好きなんですけど、RENTも禅を語れる気がします。マークは牧者…エンジェルという仏性の化身……失われても確かにある愛……一切衆生悉有仏性…。

ただ私は、Creationが愛の一つであり、パートナーを愛するのと同様かそれ以上に、沢山の人に色々な想いを伝える力を持っていると感じていて。

だからこそ、マークが作中で撮っている作品=RENTだと思っているし、RENTが輝き、沢山の人が見て、愛を感じる毎に、彼の行い、そして創造したもの、作品のメッセージもまた熱く輝いていくんだ、と思っています。

 

RENTという言葉。

家賃、借りる、ほころび、割れ目、引き裂く、強奪する*2

辞書通りに考えるなら上記で……ただ私はこう考えても良いのかな、と思っています。

「人と人が共にある中で生まれる営みの全て」

借りることも、引き裂かれることも、全て誰かと共にあるから生まれる行為なんじゃないかなと。ひとりじゃ借りれないし、引き裂かれないですから。

 

大千秋楽のカーテンコールでは、村井さんが挨拶をして下さって。

本当に心を開いて、涙をこぼしながらお話しして下さった言葉が、こちらの胸にも直に届いて、一緒に泣いてしまいました。

でも一番涙腺が崩壊したのは、アンディさんの言葉を口にされていた時で…

「円陣を組んで、パーソナルな話をして…本当にぐちゃぐちゃなんですけど、アンディはそれを“Beautiful”と言って…」

その“Beautiful”という一言が、ただ眩くて、鮮烈で、涙が一気に噴き出しました。

キャストの皆さんがなさったお話の内容は、当然のことながら全く知らないです。多分、色々な内容だったんだろうなとだけ。

でもそれを、アンディさんは美しいと言った。人の業とか、間違いとか、恥ずかしさ、辛さ、苦しみとか、すべてひっくるめて、美しいと。その言葉そのものが救いだし、何よりも美しい言葉・心で。

多分それが、RENTそのものなんだろうなと。

人が人であり、人と共に歩む中で生まれる、様々な営み。

それを全て、お互いに、愛をもって受け止める。

WYOの「意見は捨てろ 主義なんて」「生きる全てが そう RENT」という言葉も、「全部借り物なんだから流されとけ」という訳ではなくて、「自分ひとりで背負い込まないで。どんな時も、人と共にあるものなんだから」という意味でもあるのかなと、思えました。

 

お話の前に、Seasons Of Loveを、キャストの皆さんが円陣を組んで歌って下さいました。

正直な話! 円陣を組んだ時、ちょっと寂しかったんですよ。ファミリーの中で、関係性が閉じてしまっているように感じられて。私たちは、ただ見せられているだけの傍観者なのかな…マークよりも外側に居るのかな、と。

でも段々と円陣が開いて…観客席に向かって……迎え入れるように広がって……ああ、観客席の人たちも、RENTに関わっているんだなと思えて嬉しかった。

そして最後に、ナロ君の提案で、キャストさんが開演前にやっているという円陣と号令?を、キャストさんと観客で一緒にやることになりました。

「やるべき事は一つ! 全員で、」

「「「RENT!!!」」」

大きく重なった声と、強い足踏みで、舞台上も、観客席も(そして多分、裏方のスタッフさん達とも)一つになれた気がしました。

 

声を合わせることは、心を合わせることでもあって。

多分これから、この日のことを思い出して、「RENT」と口にする度に、泣きそうになるんだろうなと思いました。

 

村井さんが大好きで、ずっと追いかけてきて、2015年に出会ったRENTという作品。

いつのまにか、村井さんは当然だけど、RENTそのものや、それを創り上げたキャストさん・スタッフさん、全員が大好きになっていて。

終わってしまったことは寂しいし、まだ受け入れがたい部分もあるけれど、でもこれからもずっと大好きで、胸の中を暖めてくれる、大切な作品でいてくれるんだろうなと思うと、出会えたこと、全力で追いかけて来られたことに、感謝の気持ちしかないです。

 

RENT2017

本当に素晴らしい作品をありがとうございました。

創り上げた全ての人たちに……

そして、出会わせて下さった村井さんに、感謝です。

*1:といってもガッツリ大きいタオル持って行ってるので、そこまで鼻をすする音は鳴らしてないです

*2:rentの意味 - 英和辞典 Weblio辞書