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来て、見て、書いた。

自ら足を運び目にしたものを書く方向性。

ラヴ・レターズ(村井・武田カップル)

10/31に、ラヴ・レターズの村井良大×武田梨奈カップルを見に行ってきました。

13日に村井さんブログ等で出演が発表、翌14日にチケット先行発売(抽選予約無し)、えっ、ちょっ、ちょっとまって?!となりながらも、発売数秒でチケットを確保しました。幸運なことに、上手最前だったので、ひたすらガン見して参りました。

 

こちらのラヴ・レターズは、450回以上の公演を重ねている、歴史ある作品とのこと。当日、ロビーには、沢山のカップル達の舞台写真が掲示され、その歴史の物量に圧倒されました。また次の公演では、村井さん達もこの写真の列の中に加わるのだと思うと、なんだかドキドキします。これからもずっと続いていって、一つの歴史として、流れの中に残っていくと良いな。

作品自体は淡々と、アンディとメリッサの間でかわされた(時々お母さん・先生宛が混ざる)手紙を読み進める、朗読劇です。BGMもSEもなく、とても静かな作品。第1幕までに入場が間に合わない場合は、幕間まで入場出来ませんと、初めから宣言されているほどです。実際、とても静かで……後方の観客のいびきも、隣の席の方が爪を弾く音も、しっかり聞こえてしまうほどでした。

二人の愛の手紙は、とても静謐で、でも肌の下に、脈々と激情が流れているのが感じられる、素晴らしい物でした。

村井さん演じるアンディは、第1幕では、真面目だけど男性らしい矜持や性欲を持ち合わせた、等身大の男の子のように感じました。メリッサがダンスパーティで他の男子になびいたのを怒っているのとか、ホテルでストレスのために失敗してしまったこととか、照れくさいし、青臭いけど、とても可愛いなと思いました。第1幕で学校での成功を書き連ねるところと、第2幕のクリスマスカードで家族の良い部分を書き連ねるところに、男の子らしい建前・矜持・嘘(駄目なところを隠す)が、子供の時も大人の時も変わらずにあるんだなあと感じられて、くすりときてしまいました。あと個人的に、ギャッとなったのは、アンディが返事をよこさないメリッサに対して、自分が手紙を書く理由を、延々と綴っていたところ。私事というかあれなのですが、だいぶ前に、自分自身も村井さんに対して似たような事を書いたことがあって(私自身、書くことが好きで手紙やその他、このブログを書いている部分があるので…)、それを村井さんの声で聞くというのが、なんだか凄い不思議体験で半分泣きかけました。「アキラとリョウタのトワイライトララバイ」でも、一通お手紙を読んでいただいたのですが、それとはまた心情の込め方とかが違うので、衝撃でした。第2幕では、成人して、地位や名誉、あと他人からの期待を沢山背負った男性になり…社会的役割の拡大と、メリッサへの愛との狭間で、不倫的性愛に溺れかけたりと、世の中から期待される男性性を体現しながら苦しんでいる姿が、とても生々しく感じました。まだ村井さん自身が若く、第1幕終盤辺りの年齢(多分)の為か、老獪さや強かさよりは、愛と理想に振り回されているような印象が強く感じました。三谷幸喜さんのアンディも見てみたいなあ。

武田さん演じるメリッサは、とにかくキュート! 第1幕での少女らしさや、その頃特有の、男子と比較した精神年齢の高さが、おしゃまで本当に可愛かったです。他の男の子になびいた際の、嫌でも惹かれちゃうことがあるの、みたいな言い回しが、何か凄い可愛いのと、腹立たしいのにやっぱり惹かれちゃうのとで、なんか凄いたまらなかった。「助けて!」の言い方も、当人には切実、でもちょっと大げさ、って感じがいい。個人的には、第2幕以降の、実年齢と精神年齢の解離が切なくて好きでした。他人を振り回すところも、アンディに縋るところも、全て幼げで痛々しい…。アンディの秘書が出したクリスマスカードに対して、真面目くさった口調で怒りの返事を出すところがあるのですが、武田さん自身の気持ちの昂ぶりのせいか、かなり噛みまくってしまい、でもそれが、メリッサの寂しさや幼さに繋がっているような感じがして、たまらなかったです。あと、アンディに個展に来て!と言うところ。郷里を思い出して作った、コップを飛び越えるカンガルー(第1幕で、アンディに宛てた手紙に描いている)を展示した個展…でもアンディは忙しくて来られず、批評家達の評判もさんざんで、メリッサ自身の過去への想いを、世界が許してくれないのが、切なくて悲しかった…。武田さんもやはり若いせいか、自分自身の自由と愛を求める心に振り回されて、大人になりきれない感じが強く、何となくエリザベート(ミュの)を彷彿とさせました。蘭乃さんのも見たかったな。

今回初めて見た作品ですが、多分自分の年齢や人生、あと演者によって、本当に違う物を感じ取りそうな、普遍的で多面的な作品だなと、強く感じました。あと、今回一度かぎり、という、制限がとてもしっくりくる(人によっては再演されていますが)。村井さん方が載ったパンフレットも、次の時期に作成されるそうですし、他の方の(年齢が高い方とか、違う経験をされている方)のアンディとメリッサも見たいので、来年も足を運びたいな、と思いました。