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来て、見て、書いた。

自ら足を運び目にしたものを書く方向性。

【読了】血の轍

読書

 

血の轍

血の轍

 

 WOWOWのドラマを知った父が購入、面白いと勧められて読了。

とても面白い小説でした。刑事と公安、ヒトと国家、二つの正義に別たれた、二人の男の二つの轍。膨大な予算と人員を投入した壮大な内ゲバ話とも言えるのかな。でもこの二つが内であったことなんてないのだろうけど。

端的かつ膨大な情報量で物語を立て、伏線を緻密にはりながら、同時に各主観キャラ(兎沢と志水)の心情も描き出して、行動の動機付けまできちんと裏打ちしていて、とても楽しめました。専門用語や内部構造等が、下手な資料より余程丁寧に扱われていて、勉強にもなりました。

結構短いページ数で主観が交代する上に、過去回想が予告なく入るので、その点の切り替えが苦手だと辛いかも知れない。でもその短い中で、上手く状況や心境を盛り上げて、最高潮に達した瞬間に、別のシーン・主観へと切り替わるので、早く続きが読みたくなり、ページをめくる手が止まりませんでした。個人的には、心理の流れや盛り上がりが、とても音楽的に感じました。