Tida-Tiger

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Bumpy Lens # 20 デスノート THE MUSICAL篇 感想

ということで行ってきましたBumpy Lens!

www.marunouchi-musical.org

とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

タイトルとかタグをいれておくと即座に主催さんに気づかれるので、今回は急に「好きだ…」とか言うのは控えようと思います(フラグ)

イベント直後にツイートしたタグつけたレポだけじゃなくて、「~なところ好きだぞ村井氏」っていうツイートもいいねされて笑いました。

こっから先はふんわかふんわかした主観混じりの感想と個人的メモですーよろしー。

 

 

岩村さんと梶山Pさんのトークショー(ゲスト俳優は未公開)で先行販売。
その一週間後にゲストとして村井氏が発表。
チケットも、どちらもかなりの速度で売り切れたようです。

今回、おそらく村井氏が出るだろうと踏んで、先行販売でとりました!
ただ元々、デスミュのプロモーション、プロデューサーさん自体にも興味があったのと、他のキャストについても知らないことが多いこともあり、誰が来ても楽しみだなあ…とワクワクしていました。

デスミュのプロモは面白いぞ…!

torata-nu.hatenablog.com

 

場所

goodoffice有楽町

www.kotsukaikan.co.jp

交通会館って6階とかあるんだ…って思いながらエレベーターで上にあがりました。これまで、駅改札から見える、張り出して皓々と光っている辺りまで(多分3階)しか存在を認識していませんでした。
6階のエレベーターホールにたどり着いて、さてどこだ…?と呆然としていたら、フォロワさんに部屋の場所を教えてもらえて嬉しかったです。

入ったら飲み物と軽食が用意されてたのもびっくりした…! どれも美味しかったです。来ている人達の気持ちも和んでいて、アットホームな会場にとてもほっこりしました。

こちらは、普段は貸しオフィスや会議室、コワーキングスペースとして使用されているようです。足下が普通のおうちみたいな板張りで、ソファなどの備品もあり、居心地がよさそうでした。
貸し会議室の方もおしゃれだったな~。
今回はイベントなだけあり、少し広いところに70席ほど椅子を詰め込んでいたので、みっちみちでしたが、普段はゆっくり仕事できそうでいいな~と思いました。今は職場があるけど、それとは別に作業できる場所を探してさまよってること多いしな…

場所・軽食の提供をありがとうございました!

 

開始

イベント会場の方の挨拶と説明の後、岩村美佳さんを呼び込み。ニットがふわふわで可愛かった。岩村さんは2015年の日本版RENTの村井氏のインタビューの時に存在を知って、記事とお写真両方好きになったライターさんだったので、今回こういった機会で実際にお話ししている様子を知れて嬉しかったです。

ご挨拶の後、梶山プロデューサーさんを呼び込み。小走りにステージに来る梶山さんも可愛かったです。

会場がフラットな為、後ろからも見えるように、梶山さん(後に村井氏)が座る中央の椅子が高かったのですが、その上、乗っている人の重心に対して繊細で(?)くるくる回りやすく、ゆっくりと左に右に回っていく梶山さんに、会場があたたかくなるのを感じました。笑

デスミュ公式に掲載されているプロデューサーコラムを読んで、この人文章上手いな~~!!とメチャメチャ感動していましたが。お話も、しっかりと論理的にまとめつつも、聞き手を飽きさせない技にも長けていて、ハーすごいな!やば!と謎にテンションを上げていました。ちゃんとまとめつつも、外連味もあって楽しかったです。

 

梶山さんのお話

メモ取ってないのでふんわりだよ~。
メモ取ってる人が村井氏に絡まれてて、めっちゃ羨ましかったです。(でもメモ取る気はない。逆に忘れそうなので)

あと梶山さん・村井氏の言葉をベースにしているものの、一旦私の頭にいれてから出してるものなんで、そこはちゃんと差し引いて見てください。

 

まずは岩村さんより、梶山さんの経歴についてご紹介。

高校でアメリカ留学し、帰ってきて早稲田へ。アメリカでは高校のミュージカルのバンドを経験し、早稲田ではミュージカル研究会に所属して、俳優をやり、歌い、まだプロットの戯曲の魅力をサークルメンバーに売り込み、自分で書いた。
卒業後は吉本興業へ。面接時に「ミュージカル? やったらええやん!」みたいなノリだったが、実際には出来ず。プロデューサーやマネージャーなど、いろいろやった。
五年ほど務めた後、東京転勤と、人とのご縁があってホリプロへ。
数年の下積みを経て、プロデューサーに。直近ではミュージカル「生きる」やデスミュ、ビリー・エリオットを担当した。

 

それぞれの時期毎に、ちゃんとトピックスがあり。どのお話も全部面白かったんだよなあ…。
あと、岩村さんがしっかりタイムキープしていて進行がしっかりしていたのですが、梶山さんご本人も、この話はこのくらいの尺と内容っていう一塊を把握している感じがしました。頭のいい人の話し方や…

 

実際の進行は、おそらく、経歴紹介(軽く)→プロデューサーのお仕事って?→経歴の中の大きめトピックス……という感じだったのですが、その通りに記憶を引っ張り出すのが難しいので、大体経歴順に書いています。

 

アメリカでの話(高校時代と新婚)

元々楽器をやっていたので、留学先でミュージカルのバンドに編成された。アメリカではあまり「ミュージカルをやること」への敷居がない。普通の高校で普通に行われている。
演目は「サウンド・オブ・ミュージック
歌がメチャメチャ上手かった(もちろん高校生)
「その時にブロードウェイにも?」と問いかける岩村さんに、
「いや! 初めてブロードウェイに行ったのは新婚旅行ですね」と返す梶山さん。
美女と野獣」を見に行ったところ、なんと、停電でしばらくショーストップ! 一番気が重い夕食だった…と振り返るのが面白かったです。あと「そこで全部の厄を落としたんですね!」とフォローする岩村さんにもほっこり。

 

早稲田での話

ミュージカル研究会に入ったという話。「数少ない男だったので、こんな僕でも主演になれたんですよ!」と言ってて、ふふっとした。
ちなみに後にちょいちょい歌声を披露してくれて、「いや美声やん」となりました。

先輩に後の有名戯曲家がいたので、しばらくは戯曲に悩むことはなかった。だがその方の卒業後、自分たちで創ることに。戯曲はメンバーによる投票制で決定。梶山さんはプロットを書き、メンバーに自らプレゼンをして、自分の作品を見事制作に持って行ったという。
処女作にして最高傑作は、燃えるゴミと燃えないゴミの恋。
当時流行っていた缶コーヒーのBOSSのTシャツを着た、燃えないゴミの空き缶男子が主人公で、燃えるゴミの子と恋に落ちるという話でした。15分程度のミュージカルだったそうです。

その後、吉本興業へ。周囲にも「なんで?!」と言われたらしい。

 

吉本興業での話。

大の大人が真剣に笑いに向き合う、ということをよく学んだ、という話。
新卒だったのでひたすら雑用。当時同じタイミングで所属した方は、今はもう大物に(私が芸人さんの名前をほぼ知らないため、お名前を聞いたのに忘れました…)
楽屋は暗い。ということも話していたかな。スベるのは怖い、スベりたくない、という強い気持ちがある。だから真面目に取り組む。
その後、一度東京に転勤。いろいろとご縁がありホリプロに行った。

 

ホリプロ、デスミュの話。

あるいはプロデューサーって何するの? という話。
端的に言えば「雑用」
プロデューサーになる前もいろいろやる。お弁当の発注とか。そういう経験と成功を積み重ねて、タイトルをもつプロデューサーとして独り立ちする。でもその後もいろいろ雑用。なんせやるべきことが多い。30人で回してもいいような仕事を、1人(だったか、アシスタント込みで3人だったか)で回していかなければならない。なぜなら30人雇ったら赤字になってしまうから。色々雑用をこなしていく中で、こうしてトークショーなどにも出ていて、なんか、出たがりとか、またあいつかみたいな視線を受けることもあるらしい。しゃべれる人が出るのはいいことだと思います。

そんな中で割と細かく話してくれたのは、企画を立てることとキャスティングの話かな。

 

企画の話

企画を立てるときは、本屋やTSUTAYAにこもる。図書館にもこもって積み上げるくらい本を読む。それくらい、元になるものを沢山しっかり読み込む。

戯曲を手に取ることもあるが、冒頭のキャスト一覧を見て10人以上いたら閉じる。読んで面白かったらやりたくなってしまうかも知れないので、その時点で閉じて、見なかったことにする。舞台で、関ヶ原の戦いを再現することは出来ないので。
あと、上演時間に面白い部分がまとめられるか?ということも考える。テンポ良く進むことが大切。
岩村さんが「オペラでは場面転換に10分とかかけることありますよね」という話を振ると、自分の創るものではあまり考えられない…的なことを返していたような気がする。

キャスティングの話も面白かったな。これは、プロデューサーとはなんぞやという話の流れではなくて、村井氏が来てから話していた気がするのでまた後ほど。

 

最後にBumpy恒例の「昔想像した自分になれていますか?」という質問に「本当はもっとゆっくりしている予定だったけど……でも現場にいないと楽しくないから、やっぱり今は楽しい」という風に答えていました。

この質問、村井氏にも聞いて欲しかったんだけど、結局聞いてないな? ゲストには聞かないものなのかな。

 

デスノート THE MUSICAL、あるいは村井氏と演劇の話。

前説10分、梶山さんのお話30分経った後、村井氏を呼び込み。

小走りでやってきて可愛かった~~~~~~~~好きです。(早速言う)

梶山さんの座っていたセンターの椅子を譲り受けて、座る。梶山さんが「それ回るから気をつけてくださいね!!」と言うも、全く回らなくてスンッ…となってるのが可愛かった。体幹とかなんですかね知らんけど。
ただ本当に椅子が高かったので、途中で足置きのところにつま先を突っ込んでいたり、半分降りて座っていたりしてました。

前もなんかの時に話したけど、村井氏は十分に筋肉がついてるんだけど、肉質が柔らかいので、椅子に座ってると太ももが、たふ……って潰れて可愛いんですよ…。

はい。梶山さんのところと文章の毛色が変わって、正直自分で笑ってます。

 

話した順序忘れた! あと梶山さんだけいた時の話も混ざってる!
あとデスミュは情報の露出が多いので、どこで何を聞いたか忘れた…もしかすると稽古場のとかインタビュー記事の話しが混ざっているかも知れない。

 

デスミュ全キャストを変えること=「流れる血液を変える」こと

岩村さんから「この言葉が印象に残っています」という形で振ったお話。

クリエイター陣とオリジナルキャストが創りあげたタイトルを、この先30年続けていくためには、必ずキャスト変更は必要。だからこその「血液を変える」

今回のトークイベではなくて、どこかの媒体でのインタビュー記事だけど、新旧キャスト交えてデスミュコンしたいねって話をしていて、それはとてもいいなあって思ったのを思い出しました。血液が変わってもその身体、タイトルそのものがずっと続いていくというのは、そういうことなんだと思う。もちろん初演が好きだった人、今回が初めての人、いろいろといると思うけど、続いていくってことは、その先にまた新しい出会いや、もう一度の集いもあるわけだから。

 

何故、村井氏にオファーを?

梶山さん曰く、「うまい人じゃないとダメ」というのが大前提。その上で、村井氏は「色がついてない」役者だと感じた。
「普通の人を演じることが多いですよね」という話を村井氏に振る梶山さん。「あでも、犬はやってましたか」と続けたのに対して、岩村さん(と村井氏も)「飼い主です」って答えていたのがじわじわ来ました。
色がついていないという話に対して、村井氏は「できるだけ役に染まる」というようなことを返していたかな。

2015年のカレンダーイベントで、村井氏が、自分のプライベートを変に出したくない、役に自分の色を乗せたくないという話で「無がいいですよ、無」というのを話していて、その目指しているところが、プロデューサーさんっていうプロにも伝わっていたんだなあと感じて、なんか嬉しくなりました。

村井さんカレンダーイベント 2015 - Tida-Tiger

 

オファーを受けて

自分で大丈夫だろうか、と色々考えることもあった。原作も読んでいたし、他のメディア展開も知っている。でも栗山さんの演出ということもあり、引き受けた。というようなお話。

やるとしても今回が最後だ、みたいな話もしてたかな。今もう31歳で、制服を着るのはギリギリだから…という。

 

ダブルキャスト

今回初のダブルキャストピカソアインシュタインでスイッチキャストは経験済みだけど、今回は完全に別の公演として成立する。甲斐くんとは別の月くんを創っていく、的な。

 

甲斐くんと颯くん

甲斐くん。若い。今回を経験したらもう怖いもんなしですよね!みたいな話をしていた。あとでかい。稽古場の天井が劇場より低く、その為、稽古用に設置した部隊の二階に甲斐くんが上がると、頭がつかえてしまっている。月くんがかっこよく決めるシーンでちょっとかがんでいるので、きっと劇場に行ったらバーーンをその鬱屈を発散するでしょう。みたいな話もしていた。

颯くん。努力家! 二人とも舞台に立つ時間を増やそうとしている。早く来て遅く帰るし、気付くと舞台に乗っている。

 

パク・ヘナさん

超歌がうまい…歌い出すとスタッフも皆手を止めて聞き惚れてしまう。

オファーを出すときは一発勝負だから、相手の状況などもしっかり調べるし、もちろんメールなんかで連絡せず、実際に顔を合わせてお願いする、という話を梶山さんがされていました。パクさんの場合は、その時期の公演の初日の後にオファーを出したんだったかな。あと彼女も決め手が栗山さんだったらしい。韓国にはいないタイプの演出家で、デスミュ韓国版での演出でものすごく学ぶものがあったから、みたいな。

村井氏もものすごく尊敬している感じがあった。

 

横田栄司さん

村井氏が横田さん(リューク)をかまいすぎるし、横田さんもかまうせいで、栗山さんに「月はそんなにかまわなくていい。リュークと仲良しではない」とつっこまれたという。

なるほど仲良し。

 

大型ミュージカルでやるということ

岩村さんが、「これまでクリエでの主演はされて来ましたが、今回初めて大きな劇場での主演を…」という風に話を振っていたのですが。村井氏全然その点に関しては気負いとかがなくて面白かったです。どうあってもなすべき事をなす、って感じがしました。

「アンサンブルのかた……僕はあまりアンサンブルと言うのが好きではなくて」と、これまでもよく口にされていることを言いつつ、「皆がそれぞれに役を全うしていて、ドラマがある」「実は一番泣いてしまうのも刑事達のシーン(殺される可能性があるが、本当にキラを追い続けるのかと夜神パパが部下に問いかけるシーン。多分)」と続けていました。

梶山さんも同調して、該当シーンの「子供がいるんだ♪」という部分を歌唱。「歌っちゃった!」ときゃっきゃする村井氏可愛かった。梶山さんは特にお子さんがいるので、シーンに対する共感が強い…という話をされていたのですが、村井氏も「わかる…」と言っていて、梶山さんに困惑されていました。わかるんかい。いつの間にパパになったんだ。結婚したのか…俺以外のやつと…。

(※2013年のネタだよ)

 

シーンが減った

「初演や再演の時は必要だったから入れていたけれど、」と前置きをした上で、「ある重要なシーンがなくなりました」という梶山さん。

「まさかあそこが?!というところがなくなってます」と引き継いで盛り上げる村井氏。

「そうそう。月がノートを拾うところが…」

「そこなくしちゃダメでしょ?!」

「村井君がすごい盛り上げたから、このくらいインパクトないとと思って…」

テンポ良く会話してる二人が可愛かったです。とにかく初演再演からはどこかが減っているそうです。

 

 

受け継いでいくということ

今回のデスミュはわかりやすくハードルがある、という話を村井氏がしていた。四段くらいとか言ってたかな。そのうちの一つが多分、丸っとキャストが変わっているということ。

「僕たちが二番目で…いやでも、他のキャストは変わっているところもあるから……すみません、説明が下手ですね」と喋っていたのが可愛かった…ちゃんと伝えようとして、かつそれが独りよがりじゃなく、実際に伝わってるかどうか考えるところ好き。

まあ要は、(リュークとかは三代目?になるし、レムは韓国版で演じた経験があるけど)まるっと代替わりしたのでは二番目だって話です。

で。

デスミュはこの先ずっと続いていける力のある作品。梶山さんも「今回をデスミュを見た、ということが大きな意味を持つようになる」みたいな話をしていたかな。歴史の転換点的な。

だからこそ、代替わりした自分たちが踏ん張らないと、未来に繋げることが出来ない。だから精一杯やらないと、と、村井氏は言っていて。それは多分デスミュが、とか、オファーを受けたから、とか、責任が、ってだけではない、演劇全体を見据えた話でもあるんだろうなと思った。

それに対して梶山さんは「その重い荷物は、ここに置いていって下さい。責任をとるのは私達の仕事です」と言って下さったんですね。それがもう、ありがたいし、頼れるなあと。

これ「失敗したときに悪いのは誰だ」って話じゃないんですよ。

役者は役者の、プロデューサーはプロデューサーの仕事を全うする、って話で。なおかつ、お互いの仕事に敬意を持っているのが感じられる空気があった。

そういう現場でお仕事できているのは、いちファンとしても本当に嬉しいことだなあと、幸せを噛みしめました。

 

チケット購入者に林檎プレゼント

イベント限定でチケットを販売、購入者にはなんと林檎をプレゼント! あぶり出しでリュークのシルエットが浮かび上がるかも…みたいなジョークを梶山さん(多分)が飛ばしていてふふっとしました。

せっかくなので林檎を持って写真撮影を…となった時に、村井氏が月君風に片手で格好良く持つかと思いきや、即両手で持ちに行ったのも可愛かったぁ……林檎を両手に持って頬に寄せてるのをめっちゃ見てました。

 

そんな感じでイベント終了。90分だけとは思えない情報量のイベントでした。

デスミュはほんと面白いことやるぞ~ってパワーがみなぎっていて、カンパニーも諸々のスタッフも大好きです。これからの展開、そして開演を楽しみにしております。

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