先日、シルク・ドゥ・ソレイユ「キュリオス」に行ってきました。
可愛い。
実はシルクが大好きで…1996年のアレグリアから家族で行っていました。もう、めっちゃ好き。好きすぎて割と古参面しがち&こだわりが強くなっています。先に謝っておきます。
キュリオス、とは
1984年に誕生したシルク・ドゥ・ソレイユ。『キュリオス』はその創設30周年を記念して制作された特別な作品です。タイトルの「KURIOS(キュリオス)」は、「好奇心」「骨董品」という意味を持つ言葉。
シルクは(多分アレグリアが顕著)世界観に準ずる創作言語を使うことが多いんですが、このタイトルもそれの流れらしく。
英語のCuriosities/気持ち、珍奇、もの珍しさ、珍奇なもの、骨董品から創られた造語であり、意味のダブルミーニングです。
エジソンとジュール・ベルヌが出会い、19世紀欧州の空気感をそのまま閉じ込めたまま発展したような、奇想と科学の世界です。
感想色々
今回の演目はこちら。
本当はヨーヨーも見たかったのですが、今回はなく…また見に行きたいなあ。
・とりあえず、グレイテスト・ショーマン見て
突然違う作品の話。笑
出来るなら、映画館に行ってグレイテスト・ショーマンを見てきてから、キュリオスを見て欲しい。
史実に基づきつつも、独特の進化を遂げた世界観で繰り広げられるサーカスの発展の物語なので、実はキュリオスと親和性が滅茶苦茶高い。時代も割とドンピシャです。下準備は大体これで済むと思う。
・可愛い
まずコンセプトが可愛い。可愛い。死ぬ。衣装だけで泣ける。ロボットと博士のやりとりや、空を飛ぶ展開も良い。あとあくまでもサーカスなので、それに基づいた演目もある。
好きなもの。
→クララ
スカートのボーンであり、電波を受信するアンテナである衣装が可愛い。レトロかつハイテク。可愛い。
→ザ・キュリオス
主である博士シーカーをお手伝いする2体のロボット。恐竜っぽさとかがある。可愛い。
→エアリアル・ストラップ
シャム双生児的(普段は二人三脚みたいな衣装)な双子の男性が繰り広げるバンドを用いたエアリアル。割と男女の和合(アレグリア?、映画シルク)or女性性の再獲得(キダム)という感じの演技が多かった中で、男性二人でやるというのがなんか多分珍しい。ニコイチよきよき。
→ミスター・マイクロコスモス&ミニリリー
大きいミスターのお腹の中には、小さくて上品なミニリリーが住んでいる。可愛い。出てきた時、普通に驚いた。お家のデザインもビクトリアンで可愛いいいいい。エアリアル~とミニリリーは特にグレイテスト・ショーマンのキャラクターたちを彷彿とさせるのでやっぱりGS見て欲しい。サーカスの活き活きとした猥雑さ、その真髄がどちらにもある。
→歌姫
歌姫役は必ずいるんですけれど。今回頭に蓄音機のホーンを付けていて可愛かったです。あと舞台の外周をたまに蓄音機が走り回っていた…可愛い……。
どうでも良いんだけど、公式サイトの演目紹介が、コンセプト紹介と演技内容紹介がまぜこぜになってて滅茶苦茶判りづらい…。アクロネットは演技内容しか書いてないけど、多分お空に行った博士が、お空を泳ぐ魚の活き活きとしているさまを見る話…それも可愛いんだ…。
→スタッフ衣装
基本は黒なんだけど、革?のハーネスを付けている。大変スチパンで良き。
もう……世界観最高、お衣装最高、演技も最高で、最高でした。
ヨーヨーも見たいし、もう一回くらい行きたいなあ。
余談。
ここからつらつら考えたことを書いています。シルクあんまり関係ない。
シルクは、色んな界隈から、広く浅く沢山の観客を集めている作品で。
バスツアーで客を運んできたり、学生さんがいたり、本当に多種多様な人たちが来ている。それであれだけの大規模な興業を成功させている。
ここに足を運ぶ度に思うのは、「日本の舞台って、ホントオタクしかいないな」みたいな事で。
disではないです。半分は賞賛。半分は危機感。
半分の賞賛。それはマナー意識。
ここは我々の場所であり、自治を行うべきである!!という感覚があるので、本当に皆さん大人しく、喋らず、背中も外さずに見ていて。*1 もちろん、そうでもない人もいるにしても割と少数派で。
シルクは…ヤバイです。歓声が多いのとかは全然良いんですよ。だってサーカスだし。にぎやか上等。
でもめっっちゃ喋る。他作品に例える。*2人の椅子の背を蹴る。電話を鳴らす。電話に出る(…)
とりあえず、サーカス見るのと関係ないことはやめよう?!!
もしも。
好きな舞台がとても興行的に成功して、沢山の色々な人が来た時に、きっと同じようなことが起こる可能性もあるわけで。
そういう時、どうすればいいのかなあとか、今からゆるゆるとでも基本的なルールを…せめて電話に出ない程度のことを……沢山の人に広めて行くには、どうすれば良いのかなと考えてしまいます。
いや、私が考えてもどうしようもないんですが。思考実験?とかだと思って下さい…考えるのが好きなんです…。
あと半分の危機感。
前にマツコの知らない世界かな。日本の演劇の市場はBWに次いで大きい!みたいなのがあったんですけど。ほぼ日本語でやってて外国人呼び込みづらいし、公演期間短いから観光客も呼び込みづらいし、割とどこもオタクで埋めてる(あるいは埋まってない)のに、よくまあそんなに大きいな?!となって。
明治座さんのSAKURAはインバウンド用の展開なのかな?と思って見てたのですが、いまいち振るわない感じで…これから2.5次元(魔界転生も小説原作…)に門戸を開く方向にシフトをするようで。
作品自体が中国とかに出て行って公演するパターンも結構増えていますね。陰陽師は実は地味に面白いパターンで…中華アプリ→日本展開→2.5次元ミュ→中国公演という。そもそも中国アプリゲームだけど、お前…俺と同じものを読んで生きてきたな…??という内容が割と多いです。夢枕氏、京極氏、水木氏のかおりが漂っている…。
……2.5次元強いなあ。
ただなんだろう…最近のドラマ化原作の系統とか、あるいは小説や脚本の公募を見ていると、アニメ・コミックという2.5次元の大本になる部分が刈り尽くされてる感じがあります。ラノベもなろう強すぎなんですけど…でもなろうもホント…めっちゃガラパゴスなんですよ…当たるものが偏りすぎ……。最近思い立ってポツポツ書いてますが、需要をきちんと押さえとかないと読まれもしないです。ヤバイです。
話がとっちらかった。
つまり。
オタクで購買層を下支えしているので、一定の需要見込みと、劇場内での自治は期待できるけど、そこから大きく発展していくビジネスになりづらいなあという感覚があるのですが、実際に沢山呼び込んだ時に現在の自治制が崩壊してヤバイ状況になりそうだよねという。かといってオタクも年取るし、少子化だし。
これからどう続けていけば良いんだろうね。
舞台、演劇、大好きだし。
なんだかんだ言っても、シルクの公演を生で見れるのはありがたいし。
それを出来るだけ長く愛していくには(そのもの自体を失わないで済むには)どうすれば良いんだろうなって考えちゃうね、という話でした。