Tida-Tiger

好きなものだけ好きなだけ。

舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The WINNER

舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The WINNER
福岡大千秋楽、おめでとうございます。

大好きな坂道君と、弱虫ペダルのキャラクター達のインハイ三日間を、大好きなカンパニー・スタッフさんの元で見ることが出来て、本当に嬉しかったです。

三年間。
丁度、高校生が入学して卒業する時間。
夏でなく、春のこの、名残を惜しむ時期に見れたのも、一つの卒業を暗示していて、胸に疼痛を覚えます。
(もっとも、夏に見ても、秋や冬に見ても、きっと切ないのでしょうが)

長い、青春でした。
長い長い、三日間の夏でした。
本当にありがとうございました。

この三年間のことを、つらつらと書いてみようと思います。
あまりよろしくない気持ちも、馬鹿正直に吐露している時もあるので、気をつけて下さい。
その点も含めて、正直に書きたいので。
ごめんね。

 

・舞台『弱虫ペダル
【2012年2月1日-2月6日 天王洲銀河劇場

記念すべき初演。
私は4日ソワレと、6日マチソワに入りました。
これだけはしっかり覚えています。

元々私は、原作漫画のファンでした。
小野田坂道、最愛。
彼が懸命に努力する姿、真っ直ぐな眼差しに惚れ込んでいました。

舞台になると聞いた時には、「ロードレースをどう表現するのか気になるし、モモーイのヒメヒメは聞きたいな!」という、軽い感覚でした。

しかし、これまで、舞台のチケットなど自分で取ったことがなかったのに、初っ端から複数公演取っていたという、謎のバイタリティ。

役者さんには全く興味がなかったので、公演前のイベントには一切行っていませんでした。

チケットの手売りや、買うと根性注入してもらえる、とか、付加価値をつけて、チケットを捌くような状況だったと聞いています。
かく言う私の千秋楽チケットも、一般発売で購入した物でした。

その頃から見ていた人達と顔を合わせると、ついつい「今じゃ考えられないよね」と、言ってしまいます。

今では、抽選先行も高倍率。一般販売は一秒完売。
当日券にはゆうに三桁の人が集まる。
多くの人に愛されるようになったペダステに、嬉しさと、喜びと、ちょっとした複雑な気持ちを感じています。

嫁姑確執の姑側みたいな…
嫁みたいな、ほんのチョットしか付き合いのない奴に、私の可愛い子をとられてたまるもんですか!みたいな。
お恥ずかしい嫉妬です。

アニメ化を機に、沢山の人に興味を持ってもらえたことは、本当に嬉しいです。
この原作と、このカンパニーだから、この熱があったからこそ、皆に愛してもらえたんだと思います。

沢山の人に、この作品の輝きを知ってもらえて、大切にしてもらえて、それだけ美しい物を愛してこれたのだと、誇らしくもなります。

大勢と熱を共有しながら、劇場に来られる方を見ていると、ニコニコしてしまいます。
オタク関係で繋がっていた友人/知人と、劇場で再会するのは、とても楽しかった。

購買層・人口が拡大することで、商品の展開も増えましたし、嬉しいことばかりです。
(舞台だけでなく、アニメ・原作グッズも増えました)

ですがやっぱり、初演から応援してきた友人達の、「チケットが取れなくて…最後なのに一回も見に行けないや」という嘆きを聞いてしまうと、少しだけ、やりきれない気持ちになります。

私は、確か初日か早い時期に、一度、物販のためだけに、銀河劇場を訪れていました。
その日の公演チケットはないので、上演中の、フリー物販の時間帯です。
誰もいないロビーを見回し、物販の係の方に親切にしていただきながら、
ここで舞台をやっているのか、と、感心していました。

初演は、坂道くんがロビーを通って、劇場後方扉から、客席へと現れるという演出があったので、もうほんの少し時間が違えば、姿をお見かけしたのかもしれないな、と、時々思います。
それでどうなったわけでもないですが。

実際に見に行ったのは、4日が初めでした。
辿り着いた劇場は、既に、不思議な熱気に満ちていました。

初日に行った、原作ファンの方が、「これは本当にすごいよ!」と叫び、それが段々と、私や知人達の中に広がっていった頃です。
初日に行った方は、チケットを更に増やしていた気がします。

作品・役者さん達の熱量が、もっと見たい、目に焼き付けたいという炎を、舞台を目撃した人の中に、灯しているようでした。

それでもまだ、エアハンドル(笑)というニュアンスも残って居ましたが、じゃあ、そんな状態で、どれだけの物を見せてくれるのだろう??という、物見遊山的な興味も、ありました。

銀河劇場へ到着した私も、舞台を自分の目で見るまでは、半信半疑というか、まだふわっとした、執着のない状態で、ロビーをうろついていました。
物販を買い足したり、バーコーナー「STRA DE ROUGE」で、キャラクタードリンクを飲んだり。

キャラクタードリンクは、とても色々ありました。

★「弱虫ペダル」公演が 今日から始まったよーードリンクがすごいことにっっ★|☆銀河劇場バーコーナーSTRA DE ROUGE 迷バーテンダーモンチーがゆく!!☆

キャストの皆さんが、キャラクターイメージを元に、会議を行なって、飲み物をデザインして下さったドリンク。

村井さんの坂道君は「坂道の今期超絶一押しモエモエドリンク」です。
公演前に、「キャラクタードリンクがあるらしい」とだけ聞いていた時は、「大きくなあれ魔法をかけても! 坂道くんの牛乳ドリンク」とか妄想していた記憶があります。何となく乳製品というイメージがありました。
実際のドリンクは、苺ペーストとカルピスの飲み物で、とても甘くて可愛らしくて、村井さんがイメージする坂道くんってこんな感じなのか!とワクワクした記憶があります。
今でも、苺カルピスのペットボトルがあると、坂道ちゃんだ…と、手にとってしまいます。

一緒に行った友人達と、ドリンク名をフルで言って注文するという遊びをしていましたが、バーカウンターのお姉さんは、そんな私たちの姿も、楽しそうに見守って下さっていました。

そして、客席へ。manzoさんの音楽がかかっている中、自分の席に着きます。

舞台に行くのは、それこそ学校行事か、家族の付き合いの中でしかなかったので、仲の良い友人と、好きな漫画を原作にした舞台を、自分の意思でチケットを取って、足を運ぶというのは、とても特別な時間のように思いました。
とてもキラキラして、ワクワクして……そして舞台『弱虫ペダル』も、その期待に応えてくれる作品でした。
意識して観た初めての作品が、この作品で良かったと、本当に思います。

初めて見た、舞台『弱虫ペダル』は、本当にすごかったです!!

冒頭、ロードバイクを手にした金城・福富両主将が出てきます。
それを見て、あれ? ロード使うの?? と、意識がグッと引きつけられました。ハンドルを使うらしいという、前情報があったのもありますが、純粋に、「この狭い空間で、ロードバイクをどう使うのだろう?」という疑問が頭をよぎった為です。
低い、心音のような音の中、両主将が舞台の中央に立ち、今にも走りださんほどの気合いを放つ姿に、緊張が走ります。
ぐっと音が高まり、緊張が最高潮に達した瞬間。両主将はロードバイクを後ろへと投げ(パズルライダーがキャッチし)、ハンドルに持ち替えました。
あの瞬間。赤ちゃんが生まれて初めて何かを目撃した瞬間のような、初めて自転車に乗れた時のような、驚きと、純粋な受容の感覚は、今でも忘れられません。
本当にビックリしました。やっぱロード使わないんじゃん! ハンドルじゃん! みたいな。でも、ロードに乗るんだ、という感覚が残ったまま、ハンドルを持った状態のパワーマイムにスッと移行した為、何の抵抗もなく、受け入れられました。
今、彼らはロードに乗っているんだ。
ちなみにこの動きは確か、「捨てるんです」(写ルンです、のノリで)という名前がついていました。

そこからはもう、ひたすら集中して舞台を見ていました。
そして感謝し続けていました。
弱虫ペダルという大好きな漫画を、大切に、丹念に、愛してくれたこと。
全力で、三次元に立ち現れさせてくれたこと。
舞台という表現方法の楽しさを教えてくれたこと。
村井さんという素晴らしい表現者に出会わせてくれたこと。
ペダステを作り上げる人々の物語に触れられたこと。

多分この瞬間は、本当に小さな瞬きでした。
この時確かに出会っていましたが、恋に落ちるほど眩くも無く、意識にわずかに穴を穿つ程度の、細くて小さな光しか感じていなかった。
でも、今、そしてきっとこれからも、振り返っては、全てが今に繋がる、大きな奇跡だったと気付くのでしょう。

帰りは、友人と夕食を共にしながら、ひたすら、ひたすら、ひたすら、舞台のことを話していました。あのシーンが、このシーンがと、手振りを交え、セリフを口にし、友人と共に、作品を反芻し続けていた。
私はあまり意識していなかったのですが、この頃から、すっかり村井さんと、彼の坂道君にぞっこんだったようです。


翌日、5日。
この日は、個人主催の、原作の二次創作同人誌即売会に行きました。
参加サークル180スペース(+委託10サークル)
原作も、ゆるゆると女子人気を集め始めた頃で、入場制限や、階数移動制限がかかるほど、人が集まっていました。
これもまた、今じゃ考えられないけれど、の一つです。
この後、赤ブーさんやyouさんでも、単発的にジャンルオンリーが開催されていた記憶がありますが、規模もそこまで大きくなかったと思います。

シールラリーの景品交換の列に並びながら耳を澄ますと、「舞台行った?」「すごかったよ」「この後、行こうか」「見たい!」という会話が聞こえてきました。
皆、自分の好きな作品の舞台に、強い関心を寄せていたようです。
私自身は、翌日のことと体調を考え、この日は行きませんでしたが、友人達や、他の方達は、沢山、銀河劇場に集まったようでした。

千秋楽の日、6日。
マチネは一階席の比較的前方だった気がします。
友人達と共に、楽しく、熱く、見守りました。

一緒にいた友人達は、ソワレの千秋楽のチケットを持っていなかったのですが、「これは見なきゃダメだろ!!!!」と、当日券に並んでいました。
確かこの日は、バルコニー席を埋め、立ち見も出しつつも、抽選無しで列に並んだ全員が、チケットを手に入れていたと思います。
(本当に、今では考えられませんが!)

マチネとソワレの間に、渡辺航先生がロビー付近にいらして、プチ・サイン会となっていました。(これも、今じゃ考えられない)
私も意を決して、サインをお願いしました。

先生は本当に穏やかで優しい方でした。
友人にもらった、とても可愛くて豪華なフォトケースに、全員分のお写真を入れていた物にサインをお願いしたところ、「こんなすごいのに書いて良いの…!?」と驚かれたり、表紙に丸窓があったので、「ここから見えた方が良いかな…?」と悩まれたり、全く偉ぶらない、柔らかな対応をして下さいました。
こんな暖かい方だからこそ、坂道くん達が産まれ、真っ直ぐ育ってきたのだなと、実感しました。
その時にいただいた坂道君の絵とサインは、今も写真達と共に、大切に保管しています。

ソワレは、三階席。完全な、どセンターでした。
全体を見渡せて、照明も綺麗に見える、拍手をすると、音が劇場全体に響いて、ドキドキする席でした。

楽日の熱量は半端なく、既に見たことのある作品だというのに、ぐいぐいと引き込まれるようでした。

村井坂道君も、とても明るく愛らしく…
総北高校に入学した理由を説明する際、
「僕が何故、このそうっ、ほく、こうこっ……総北高校に!」
と、噛んでしまったのを、テヘッと可愛らしくカバーしていた村井さんに、完全に惚れました。
オタクっぽいのに可愛くて、健気で一途で朗らかな、最高に理想そのままの坂道ちゃんだったのです。
こちらの映像は、残念ながら(とちったシーンなので、昼公演の録画と差替え編集されています)、DVDには収録されていません。当日劇場と、ニコニコ生放送で見た方の記憶にのみ、残されています。

舞台が終わり、カーテンコールにて、恋のヒメヒメ☆ぺったんこのダンス。
この頃から、郷本さんの「ライブじゃないからね!」という台詞はガンガン発されていました。
でも皆、遠慮なくペンライトやサイリウムを振り、全力で拍手をして、「楽しかった!」という気持ちを返し、舞台上のキャストさんやスタッフさんに、届けようとしていました。

そういった作品と観客との気持ちの交流や、作品の熱さ、すばらしさ、ダンスの楽しさが、舞台版「恋のヒメヒメ☆ぺったんこ」に、温かな記憶を残してくれているように感じます。
おかげで、開演前にこの曲が流れると、自動的に脳が、「これから楽しいことが起こるんだ!!」と、反応してくれるようになりました。
パブロフのヒメヒメです。
曲がかかるとヒメヒメッします。

 

次の公演は、翌年。

・舞台『弱虫ペダル』箱根学園篇 眠れる直線鬼
【2013年1月30日-2月6日 紀伊國屋サザンシアター
丁度1年後の新作公演。
折角なので、自分の誕生日である2/5にマチネ/ソワレに行きました。
村井坂道君はいないですが、新しい箱学の仲間達と会えて、とても嬉しかったです。

今回初めて新開役を演じ、しかも座長を務めていた秋人君。
誰よりも高く飛び、パワフルに走り、美しく、繊細で優しく、強い新開君を
大切に、暖かく演じていました。

独特な演出や動きが有り、難しい部分もある作品を、演出家さんが交代(シャトナーさんも、稽古場にはいらして演出をされていたようです)し、初演から継続して出ているキャストが少ない中、座長として支柱となり、前へと走っていくのは、本当に大変なことだったと思います。

ですが、彼が、舞台『弱虫ペダル』という1本の糸を、次の公演へとつないでくれたからこそ、大好きな坂道君のいる、インターハイ1~3日目の舞台があった。
本当に、感謝しても、しきれません。

真波の翼の演出も、格好良くて結構好きでした。うさぎ達は、日々アドリブかと思っていたら、案外脚本がありました。

この時、たまたまロビーにいたシャトナーさんから、手帳にサインをいただきました。
とても温かい言葉をかけて下さって、本当に嬉しかったのを覚えています。

 

次の公演は8月、インターハイ1日目……

・舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The First Result
【東京:2013年8月24日-9月1日 サンシャイン劇場
【大阪:2013年9月7日-9月8日 シアターBRAVA!】
待ちに待った、インターハイ初日!!
サンシャイン劇場のロビーが、賑やかにごった返していて、とても胸が躍りました。

開演前にかかる、恋のヒメヒメ☆ぺったんこも、既に皆が、「これから楽しいことが起こるんだ!!」と認識していたのでしょうか、曲の最後に、拍手がわき起こりました。それもまた、暖かくて、熱くて、愛ばかりで、本当に幸せになりました。

初演で、友達を得た坂道ちゃんが、TFRで、自分は期待に応えられるだろうかと悩みながらも、友達と共に、走って行く姿は、本当に愛しくて。たまらなくて。
村井さんに、心の中で、彼を三次元に現して下さったこと、彼を愛してくれたことを、ひたすら感謝していました。同時に、坂道君には、村井さんと出会わせてくれてありがとう! と言いたいと思っていました。

何日目かの東京公演で、上手側のスロープが舞台上に貼られたカーペットを巻き込んで動かなくなってしまった回がありました。
しかしキャストさん全員や照明さん達などが、それぞれの立ち位置を修正しながら、最後まで演じきっていました。
確か、その日以降、終盤辺りの御堂筋のしゃがみ方が変化した記憶があります。危機の中で、何か得るものもあったのでしょうか。
舞台を止めて、復旧するのではなく、出来る限り、最善の形で、公演を続けるという、演劇人・プロとしての姿勢に、ほれぼれとしました。

TFRの東京公演の前楽は、二階席で見ていました。
その際、有志の方が、カーテンコールの際に、二階席を輝かせようと、ご自分で用意された案内用紙とサイリウムを、全ての客席の方にお渡ししていました。
案内用紙には、企画概要や、企画参加への依頼と感謝、終了後のサイリウム回収方法まで記載されていて、本当に丁寧な企画でした。
恐らくほとんどの方が、参加されたのでしょう。総北のイエロー・箱学のブルー・京伏のピンク(紫)、客席をサイリウムがしましまのキラキラに輝かせました。
TFRのDVDのバクステ映像で、舞台から戻ってきた直也さんが、「ライブじゃないからねって言ってたけど…」と、嬉しそうに表情を緩めていたのは、恐らくこの事だと思います。

カーテンコールでのヒメヒメを通して、客席と舞台上が、暖かくつながれるのは、本当に希有で、大切な時間だなと、強く感じました。

ただ、この企画の成功に目をつけた方が、Twitter上などで大阪公演での企画を呼びかけ、結局行えずに終わったり等、ちょっとしたゴタゴタがあったのが、少し悲しかったです。
(大阪では、サイリウム配布方法として、座席に置かれたチラシセットの袋にサイリウムを入れることを提案。それを劇場へ問い合わせた方が、セットの袋への混入はNGという回答を貰い、企画者に通達。配布が難しくなった為に、企画が流れた……という流れだった記憶があります)

大阪での公演も、ご縁が有り行くことが出来ました。
大千秋楽のカーテンコールで、村井さんが傍らに立つ大山君の方に手を添えて、「田所さんと走りたいぞー!!」と、明るい声で言っていたのが、とても印象に残っています。

一日目が終わり、一人ぼっちじゃなくなって、チームメイト共に、走って行くことが出来ることを、坂道君として、村井さんとして、心から喜んでいるように、感じました。
私自身、早く二日目になってほしい、共に走りたいと、思いました。

 

次の公演!
・舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The Second Order
【東京:2014年3月13日-3月16日 天王洲銀河劇場
【埼玉:2014年3月20日-3月22日 埼玉県熊谷会館
【大阪:2014年3月26日-3月30日 シアターBRAVA!
The Second Orderで、東京・埼玉・大阪での公演だから、どっちも頭文字がTSOだね! と友人に言われた時、妙に感動したのを覚えています。

東京公演は、一日のみでしたが、埼玉公演は全て、大阪も楽日に行くことが出来て、本当に友人達の優しさと、巡り合わせに感謝しました。

この頃にはもう、アニメが浸透し、かなりアニメからのファンが増えていたように思います。
埼玉公演では、久々にオタク関係での友人(元々別ジャンル・別カプ)と再会して、とても嬉しかったです。

舞台『弱虫ペダル』と出会って以降、友人が増えたり、旧交を温める事が多くなりました。

村井さんファンや、ペダステキャストのファンと、色々とお話しすることも増えました。
高校の友人(といっても、当時はほとんど話していない)と、一緒に舞台に行くようにもなりました。
幼馴染みとも、ひょんなことから、交流を活発にして…
同じ趣味は、友情をはぐくんでくれるのだなと、強く、実感しました。

TSOの、田所さんや、新開さん、御堂筋達の物語は、とても群像的でもあって、見る度に、寄り添ってくる物語が違い、作品と同時に、自分の気持ちも覗けるようで、面白かったです。

田所さんと坂道君が、恋のヒメヒメ☆ぺったんこを歌っているシーンは、村井さんの悲願だったこともあり、一緒に歌えて・走れて嬉しい、という気持ちを、とても感じました。

私自身は、坂道ちゃんの次に御堂筋君が好きなので、お母さんとの回想シーンと、ラストの競走シーンが、本当に可愛くて、大好きでした。
薬局レースの終了後、みどくんが「着いてもた」とちょっと寂しげに言う口調や、ちょいちょいと柱をいじってるのが、また可愛かった……。

舞台『弱虫ペダル』は、その作品を創り上げた人達の物語まで、本当に愛と熱意に溢れていて、希有で美しい奇跡の連続を感じます。

TFRでは、村井さんがかなりの期間、稽古に合流できず、アンダーの山本君が入っていたそうです。
それもまた、本編の「小野田は必ず来る」というシーンを、実際の感情から裏打ちするようで、美しい流れを感じます。

その際に村井さんのアンダーに入ってくれていた山本君は、野獣覚醒でパズルライダー、The WINNERで街宮栄吉と、研鑽を重ね、本役を獲得するに至りました。

時々起こるキャスト変更も、それで何かが断絶されるわけではなく、総北のように、皆が皆の想いと魂を乗せて、箱学のように、自分の行なうべき事を、全力で行なっていた。それには勿論、京伏や呉南の心もあって。
皆が、作品と心をつないでいくのだと、強く感じました。


そして、荒北篇へ。
・舞台『弱虫ペダル』箱根学園篇~野獣覚醒~
【大阪: 2014年10月23日-10月26日 シアターBRAVA!
【東京: 2014年10月30日-11月3日 六本木ブルーシアター】
初の、大阪での初日。
なんとなく、ペダステの広がりを感じます。

これも確か、それぞれ楽日を観劇。

野獣覚醒は、原作本編を元にしつつも、アニメDVDについていたスペアバイクに準拠する部分も有りました。
私はアニメDVDは買っていないので、あまり予習も出来ないまま見に行った状態でした。

ですが、今回初登場の黒田も、総北勢から登場した金城・鳴子も、皆生き生きと演じていて、とても楽しむことが出来ました。

拡樹君の描く荒北は、本当に素晴らしいなと、実感させていただく作品でもありました。
見た目は勿論、気持ちも原作から丁寧に汲んで、舞台上から、客席の最奥、DVDの向こう側まで、明確に魅せて、届けてくれる。
キャラクターの人格を捉え、尊重し、一人の人として対等に向かい合いながら、描いてくれている感じもします。

丁度時期がかぶっていたので、村井さんと玉城君が出演されている里見八犬伝から、ハシゴして見に行ったりもしました。

それぞれの場所で、チームメイトが頑張る中、ペダステの皆も、シリーズを繋げているのだなと感じました。
それはある意味、三日目が終わった後の、予行演習みたいでもありました。

もしも、三日目の後もペダステが続いて、でもキャストが変わったとしても、きっと、新しいキャストの中にも、受け継ぐ物があるし、以前のキャストの中にも、想いが息づき続けるだろう。
そう、思えました。


インハイ三日目の公演が発表された時、
ついに来たか、みたいな、覚悟のようなものがありました。

二日目まで走ってきた。
次は三日目で、表彰台があって、それで一旦終わり。

当然と言えば当然ですし、ペダステとアニメの話数の重なりを考えれば、タイミング的にも、そう驚きはありません。

ですが、やっぱり、初演から三年間、ずっと大好きでいたので、嬉しさと同時に、終わりに対する切なさも、感じていました。

なんだか少し、気持ちがひずんで、素直に喜べない自分もいて、それがまた妙に悔しくて、また村井さんの坂道君や皆に会えるのは嬉しくて、もう二度と会えないかもしれないと思うと寂しくて。
ぐるぐると、らせんを描いて、薄暗いところで縮こまって、拗ねた目で、上にある光を見上げていました。そしてそのまま、固まってしまった。

 

素直になれないまま、三日目、インターハイ最終日。
・舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The WINNER
【東京:2015年3月6日-3月15日 日本青年館
【大阪:2015年3月19日-3月22日 シアターBRAVA!】
【福岡:2015年3月26日-3月29日 キャナルシティ劇場】
ついに九州に上陸したペダステ。
TSOで、村井さんが全国制覇を口にしていましたが、このままシリーズが続けば、いずれ叶うのかも知れない、と感じました。

初演では考えられないような状態ですが、キャスト・スタッフ、カンパニーの皆が、信じて、回してきたからこそ、一つ一つ乗り越えて、叶ったのでしょう。

東京初日は、本当に暖かかった。
開演前の、恋のヒメヒメ☆ぺったんこへの拍手も温かい。
また、途中に登場する、初演からこれまでのシリーズ中に登場してきたモブキャラクター達に向けても、拍手が巻き起こりました。
本当に、あの拍手は自然発生的な物で、誰かが先導していたわけではありませんでした。
懐かしい友人の姿に、つい駆け寄ってしまうような、自然で、愛のある、賞賛だったように、思います。

初日は高揚しつつも、特別泣き出すことはありませんでした。
多分、まだ、拗ねている部分があったのでしょう。
それでも、挨拶を聞いた時には、ホッとしていました。

7日は、昼間はジョイポリスに行き、ペダステコラボを堪能しました。
こちらもとても盛況で、初演から、ここまできたんだ、こんなに沢山の人に愛されるようになったんだなと、強く感じました。
坂道くんの誕生日祝いボードに、可愛らしい湖鳥ちゃんがいっぱい描かれていましたが…残念! それはアニメ版だ!! という気持ちにとてもなりました。舞台版のラブ☆ヒメでは、キャラクターデザインや名前は露出していないのです。
「坂道くん」の誕生日祝い。彼が喜ぶ物を描くというのは、全く正しいですし、その心はとても暖かくて優しいものです。しかし、アニメ版と舞台版のギャップに、少し苦手意識を持っている私は、どうしても素直に受け入れ、喜ぶことが出来ませんでした。

夜はペダステに行き、坂道君の誕生日をお祝いしました。
村井さんは「永遠の15歳ですが」と言っていました。坂道君は3月生まれなので、インハイ篇の公演をしている間は、何度祝っても15歳の夏に戻るのだなと、頷きました。

15歳の夏。熱くて、キラキラしている夏。

ペダステは、シリーズのどの作品も、照明が綺麗でした。
全体を暗くした状態で、明るく落ちる木漏れ日の照明が、夏の陰影の濃さを思わせて、とても好きでした。
TWNでは、今泉のブルーがとても澄んでいて綺麗でした。彼と御堂筋の戦いでは、青と紫が交錯して、とても格好良かったです。
TFRの、落車する坂道君に差し込む、青空の色も素敵だった。

15日の東京楽にも行きました。少しずつ、少しずつ近づいてくる終わりに、
まだ、ふさぎ込んでしまっていましたが。それでも、一生懸命に走り、勝利を収める姿には、心を震わせていました。

大阪公演は行きませんでした。大阪に行った友人達から漏れ聞こえてくる、
楽しげな声にニコニコしながら、ゆっくりと、福岡公演を待ちました。

福岡は、28日のマチソワと、29日のソワレ。
29日昼は、諸々の準備があったのと、万全の体調で見たい気持ちがあったので、行きませんでした。というより、そもそもチケットが取れませんでした。

今回、自分では全くチケットが取れず、友人達が声をかけてくれて、どうにか見ることが出来ました。
本当に…大きく成長したのだなと、そんなところで実感してしまいます。

28日ソワレでは、マイクトラブルがありました。
突如全てのマイクが効かなくなり、その後、奇跡的に総北6人分だけ復活したそうです。

マイクが効かなくなった直後は、山本君演じる街宮の、回想独白でした。
元々は山本君が1人(+スロープを動かすパズルライダー4人)で芝居するところですが、その直前まで、戦っていた荒北役の拡樹君が、急遽舞台上へ復帰。
どうにか舞台を続けよう、芝居を続けようとする山本君を、併走し、ぶつかりあい、戦う荒北として側に寄り添い、マイクを寄せて、声を拾おうとしていました。パズルライダーである南君も、自分のマイクを外して、差し出していました。

総北6人のマイクが復活した後も、必要なキャストを袖で即座に判断し、マイクを回し、物語をつないでいって下さったそうです。

また、音響の方も、それぞれの音のバランスを調整したり、マイクの集音?を調節して、周りのキャストの声も拾えるようにしていたようです。
普段よりも、足音が大きめに拾われ、スピーカーから響いて、独特の感覚がありました。

自分の立ち位置で、把握できる状況から、出来る限り、最善の方法を選び取り、果敢に実行して、舞台を続けようとしたカンパニーの皆さまに、尊敬と、感謝を抱きました。私の(或いは私たちの)大切な物語を、断ち切らないでくれてありがとうございました。

カーテンコールで村井さんが、完璧な作品を見せられなくて、悔しがっているような、それでも、どうにか終わりまで続けられて、ホッとしているような、複雑な気持ちの滲む声で挨拶されていたのが、とても印象に残りました。村井さんは、他の作品でカーテンコールで感情を出すことが少なく(真田楽、ペダステTFRでの明るい様子は珍しい方)、淡々と丁寧に喋るイメージがあったので、ドキリとすらしました。

Show must go on.(舞台は続けなければならない)という言葉に触れて、絶対に途切れさせてはいけないんだ、という話をされていました。
その言葉は、慣用句としてではなく、語源の意味に近い使われ方をしていると思いました。

舞台は必ず続けなければならない。
では、何故、続けなければならないのか?

それは、多分、舞台の完成こそが、演劇人としての矜持であり、観客の愛に応えることでもあるから。

そのことをペダステカンパニーはよく知っていて、だからこそ、プロとして最も良い作品を魅せようとして下さっている。そう、感じました。

その後は友人と、ふわふわと福岡散策。夜桜とチューリップを見ながら、ラーメンの屋台が並ぶ脇を通り抜けたり、ご飯を食べたりしました。

ご飯屋さんでは、ペダステが好きだけど、仕事で見に行けない…と言う、従業員のお嬢さんとお話しさせてもらい、彼女の好きなキャストさんの、トレーディングカードを押しつけました。

趣味のことで、初めての土地にも友達が出来て、何となく嬉しかったです。

そして、29日夜。大千秋楽。

渡辺航先生が来られるという話は、ブログで読んでいて知っていたのですが、劇場内で実際にお姿を見た瞬間、涙がにじみました。

先生がいて、弱虫ペダルを書いてくれたからこそ、この三年間があったのだなあと、強く感じたためです。
きっと周りの方も、気持ちが高まったのでしょう。緩やかに拍手が始まり、劇場全体へと広がっていきました。
熱狂、あとは敬意と感謝と愛。
そんな感じの拍手の様に感じました。

ペダステの初期に、大きく関わっていた、吉井プロデューサーさんもいらしていて、本当にこれが、このシリーズの集大成なんだなと感じました。

それでようやく、ずっとこわばっていた気持ちが、ほぐれてきたような感じがしました。

上演中は、ただ静かに涙ぐんでいました。
鳴子の言葉に泣き、呉南の悔しさに泣き、落ちていく荒北に泣き、その手を取れない新開に泣き、鳴子劇場に泣き、後半も、ちょっとしたきっかけがあれば、簡単に涙がにじみました。

本当にこれで終わりなんだと実感した心が、ようやく、素直に、皆の心を感じ取れるようになった。そんな感じでした。

劇中にある、巻ちゃんの「俺達は三年間、この状況を夢見ていた」という言葉も、ひたすら胸に刺さりました。

夢見てたな。ずっと待ち望んでいた。
でも終わってほしいとは思えなかった。

坂道君と真波君の最後の戦いは、息を詰めて魅入っていました。
坂道君がゴールする時の、振り上げた両手の指の開き方が、完全に原作と一致していることを強く感じ、カンパニーの原作愛を受けて、また目頭が熱くなりました。

表彰台にあがった総北勢への拍手は、それが舞台であることは関係なく、純粋な、惜しみない賞賛の拍手でした。数々の死闘を重ね手に入れた栄誉への敬意でした。

あと、ラストの坂道君の「秋葉へいっても良いですか?」が本当に可愛くて……可愛くて…。

涙と汗の向こうに、で、手拍子がわき上がった時の、キャストさん達の穏やかな表情も、とても胸が熱くなりました。

カーテンコールも、とても晴れやかでした。

原作の、ゴールした今泉が坂道の両脇を持って、
高いたかいするシーンを、総北勢の補助を得つつ、太田君が再現していたのも、嬉しかったです。終演後、自分のケータイを見返したら、本誌に掲載された時の、そのコマの写メが残っていて、あ、本当に好きなシーンだったんだ、と面白くなりました。

渡辺航先生が、舞台中央から現れて、村井さんに花束を差し出したのも、とても美しい光景でした。

また、それぞれの挨拶にも、グッときました。
早々に涙していた秋元君も可愛らしく、話す内に、気持ちが表れて涙ぐんだ皆も、なんだか一緒に涙ぐみつつも、嬉しくなっていました。

村井さんの挨拶の声も、わずかに涙に潤んでいて、いつも穏やかで芯のある、座長らしい座長の彼が、気持ちを心からこぼしている事に、とても驚きました。

そして不意に、私の目から、涙がボロボロとこぼれました。
これまでも涙ぐみ、若干滲んではいたものの、一斉に溢れたことはなかったので、かなり怯みました。自分自身、こんなに泣くと思っていなかったのです。

村井さんの言葉の抑揚、一つ一つに合わせて、ひたすら涙がこぼれました。
頭も熱くじんじんして、嗚咽を堪えるのに必死だったので、正直、詳しい話の内容の記憶が残っていないです。
「原作への愛は皆さんに負けません!」とか、舞台を創り上げ、ここまでこれたこととか、言葉の一つ一つに共感して、共鳴して、心が震えっぱなしでした。

そうだ、原作が大好きだった。
ペダステが、大好きだったんだ。
村井さんが大好きなんだ。

そう思った瞬間、らせんを描いて縮こまっていた気持ちが、ぽーんと、バネみたいに暗がりから飛び出して、キラキラした夏にたどり着けたような、そんな感じでした。

最後は、恋のヒメヒメ☆ぺったんこで〆!
うっかり、植田君がフリを間違えてしまい、もう一回コールがわき上がりました。

誰だかに舞台中央の壇上へ行くよう指示され、とぼとぼとスロープを上る植田君を、村井さんが追いかけて、「真波君、一緒に踊ろう!」と、坂道君の声で言った時は、滅茶苦茶テンションが上がりました。
「一緒に踊るって、楽しいね!」と言った時の笑顔も、村井さんと坂道君の本心からの表情で、本当にまぶしく感じられました。

その回でも、河原田君が間違えてしまい、もう一回ラブヒメダンス。
観客席の皆、舞台上の皆と、一緒に思い切り踊っている内に、鬱屈していた気持ちもどこへやら、すっかり晴れ晴れとした気持ちになっていました。

はける前、最後にぎゅっと抱きしめ合った、村井坂道君と、植田真波君の姿は、もう絶対に、忘れられないと思います。

死闘を繰り広げた敵同士も、同じ舞台を形作るカンパニーの仲間で、それは、ゴールを目指す本物のロードレーサーと同じように、たった一つを目指している。
ゴールに辿り着く勝者は一人きりですが、舞台を完成させるのは、カンパニーの全員。
皆が、勝者なのだと、心から感じました。


今回、沢山の方の協力を得て、
一つの企画を形にすることが出来ました。
ご参加下さった方々には、感謝してもしきれません。
小さな小さな優勝カップに、カンパニーへの愛を込めた、皆さまからのペナントリボンを飾りました。

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劇中で栄誉を受ける総北高校だけでなく、
箱学・京伏・呉南・スタッフ、
舞台を創り上げる、全ての勝者達へ。


舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The WINNER
大千秋楽、おめでとうございます。
この三年間、本当に幸せでした。
素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。