Tida-Tiger

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音楽劇「精霊の守り人」 感想

精霊の守り人、開幕おめでとうございます!!

急な出演ではありましたが、なんとか主要なチケットは揃えられ、無事に初日も観劇することができました。

今回はファミリーフェスティバル公演という、子どもたちが楽しめる公演ということもありますので、今後、FF公演に興味がある、見たいなと思うかたの為にも、会場の雰囲気や時間なども記録していきます。

 

感想部分はネタバレしかない! です! なので「精霊の守り人」観劇予定のかたは気をつけてください。

初めてのファミリーフェスティバル公演

子どもさんが多くて幸せ空間だった…(感想)

素敵なものに触れて、たくさんの思い出が残ったらいいなあと、ほっこりしておりました。

 

公演時間は以下の通り。

10:30開演回

開場 9:45

開演 10:30

(休憩 20分)

終演 12:35

 

15:00開演回

開場 14:15

開演 15:00

終演 17:20

 

FF公演はおそらく

1幕 60分弱

休憩 20分

2幕 45分弱

くらいの構成のようです。(劇場内に掲示あったかも)

どちらもあっという間で、集中して作品を見ることができました。

 

劇場内は、可愛いクマやキャラクターが飾り付けられニコニコしました。

手指消毒用アルコールも、普段のテーブルに加え、低いテーブルにも追加で置かれていて、小さい子にも使いやすそうでした。

1階席のある階に、子ども用クッションが積んであったので、そちらでレンタルできると思います。(ふんわり)(使ってないからね…)

 

チケットもぎりを通り抜けると、紙のパンフレットが一人一枚配られていました。
緑の単色刷りの二つ折りのパンフレットにはキャラクターやキャスト、観劇マナーが書いてあります。それに挟み込むように、キーワードやあらすじの紙も入っていました。
精霊の守り人はガッツリファンタジーで、作品だけの単語も多いので、原作を見ていない場合はざっと目を通しておくとよさそうです。

 

有料のプログラムは1,800円でした。現金決済のみです。軽食や飴、飲み物も売っているので、ちょっとした用は済ませやすいと思います。

話の流れなどは配布される紙パンフレットで全然事足りるのですが、役者さんやそのお仕事をより深く知りたい場合は買った方が楽しいです。

 

個人的に日生劇場の構造自体が好きで、ちょっとした冒険感があるので、夏休みのお出かけにはぴったりかもと思ってます。駅から近いですし。入り口から上がっていく階段の構造も楽しいし、白くてもこもこした壁、改めて見ると面白いですよね。

 

自分があまりトイレ行かない&子どもがいないのであれなんですけど、トイレの個数がそんなに多くないので、そこは難点かもしれません…
状況に応じて別の階のトイレに誘導してくれることがあるのと、休憩時間が長めなので、二幕目に間に合わない!ということはないと思います。

 

いやもう子どもいないから何が書いてあると便利かわかんないな!!!
子どもの頃に日生劇場に行ったこともないし!!

劇場へのお出かけにご不安な方に寄り添いたい気持ちはあれど経験がないためにどう気を回せばいいかわからん…! まあ勝手に自分の至らなさにヤキモキしてるだけなので気にしないでもらえると嬉しい!!

 

親御さん的には、観劇マナーは心配になるのかなあ。

famifes.nissaytheatre.or.jp

とりあえず公式サイトさんや、無料紙パンフに書かれていることは意識して、人と一緒に見てるんだよーって気持ちを持っていれば、ポロッと出てしまう一言とかは周りも全然気にしないと思うので。

気楽に見てもらえたら嬉しいなあと思います。

インスタのストーリーで遂に推しが爺を自称したので、私も婆目線で喋ってます(?)

 

ここから、感想に入ります。

話の流れなどについてもバリバリネタバレしているので、見たくない方は気をつけてください。










全体感想

話の端折り方が上手い。

原作だと冬を越す期間も含めて数ヶ月分の物語になっていて、そこをどうするのかなーと思って見ていたら、サクッと

夏至まで一ヶ月だ!」

と宣言して、原作組にも初見にも優しくわかりやすくなっていました。

 

星読博士関係も、原作では権力争いがあるのですが、そこもシュガ1人にまとめてカット。先住民ヤクーと新ヨゴ国の帝との関係性と歴史や、夏至の祭りを取り巻く流れもさらっとしていたかな。

 

ですが「人は誰もが 誰かの守り人」という歌詞に象徴されるように、人と人が思い合う気持ち、愛しいものを守りたいという願いが、立場や性別に関わりなく存在することをしっかりと描いていて、正直めちゃくちゃ泣きました。

 

渡鳥ナージや卵食いラルンガ、花の蜜などのキーアイテは、元とは若干違う形で生かしつつ、ビジュアル・歌でしっかり印象付けられていて、とても魅力的でした。ラルンガはビビりましたね…。

 

精霊の守り人」という物語を、音楽劇としての素晴らしさと共に存分に詰め込んだ作品で、すごく見応えがありました。

もう絶対円盤買う。



キャスト感想

初日FF公演のみの感想〜!! あとこの辺から割とテンションが上がる(文章の)

基本的にチラシとかに書いてある順番(番手)順に書いていきますが、いつも言っている通り推しは1番最後に書いてあります。長くなるので。

 

明日海りお/バルサ

バルサがおばさんと言われていて、思わず「バルサ 精霊の守り人 年齢」でググってしまった。30歳て……若いわ!! そりゃ推しも爺を自称し始める。

でもあの世界、あの時代感だと確かに30歳はおばさんだし、状況によっては孫がいるんだろうなあ…

 

めちゃくちゃかっこよくて可愛くて寂しくて、たまらんお姉さんでした。

みりおさんは意外と初見かも…立ち姿もお声もかっこいいです。槍捌きもうまい。

プログラムで殺陣の速度の男女差的なことを話されていて、確かにあんまり女性が絡む殺陣って見たことないなと気づきました。

実際見てみて、確かに性差を感じる部分もあったのですが、みりおさんの攻撃したその瞬間のポーズの決まり具合が圧倒的にかっこいい…!!!

踏み込んだ瞬間、ひねりの角度、そのかっこよさがすごい。ただ速ければ、力強ければいいだけではない、「演技の魅力」の幅広さを感じました。

そのかっこよさがあるからこそ、なぜ用心棒をしているのかという過去の切なさやいじらしさが半端ないし、最後のチャグムとの会話に救いを感じるんですよね…。

 

これからのバルサがどうなっていくのか気になる程、舞台上に確かに生きたバルサがいました。実は原作のシリーズは未読なので、今度改めて読みたいです。

 

渡部秀/ジン

推しと顔が似ているでおなじみの(?)

育ったことで各々傾向が変わってきた為、おそらく普通にしていたら見分けがつくのですが、ジンの衣装が以前推しが主演した「マホロバ」のザッパに似ているため、舞台上だと若干空目しました。

 

久々…八犬伝ぶり…に見たのかな。カッコよかったです。私が小さい子だったら惚れまくっていた。ダークヒーロー寄り、敵幹部の味方化あるいは一時共闘が好きです。

殺陣の速度と技のキレがよくてこれも見惚れましたね。

途中でラルンガを精霊と勘違いするところはハラハラしましたが、国を守るという強い意志故に危険を排除したいと思い勘違いしたというのが歌も交えて表現されているので、納得感がありました。

終盤にバルサがチャグムに、全部倒してさらってやろうか的な冗談を言った時に、ガチ目に警戒してたのは笑いました。

 

水石亜飛夢/シュガ

ケツバットってなんで笑っちゃうんだろうね?

トロガイさんによる杖ケツバットの被害者2。学者さんっぽい衣装がものすごく可愛く、真面目で真剣な様子が素敵でした。ちょこちょこ、ただ知的好奇心だけで生きてるっぽいな…? みたいなオタク気質を感じたのも良かった。

ジンに腹パンされたりと、戦闘要員ではないのに意外とダメージ食らってるのはかわいそうでした。

 

小野塚勇人(劇団EXILE)/ゼン  健人/ユン

かっこいいね!!

殺陣もうまく、ちょっとしたそぶりにジンや国への忠誠心の高さが窺えるのが素敵でした。これまでずっとチャグムを殺そうとしていたのに、最後に助けるのも、嘘がなくて良かった。彼らはただひたすらに忠義を尽くしていただけなんですよね。その軸で見れば、殺すのも助けるのも同じ理屈からくるのがわかる。

終盤にジンと一緒にバルサを警戒するのも可愛かったです。



唐橋充/帝

怖い…何考えてるかわからない超越的な存在すぎて怖い…父親としての情が見えてこない分、チャグムが「父上は勘違いしてたんだ」と言うのが、より一層哀れに感じられました。

サグム(第一皇子)が死んだ時だけ、高いところから一段降りてくるのかな。あの時少しだけセリフに動揺が見えるのですが、政治的な動揺なのか親としての哀しみなのかわからなくてやっぱり怖い。

 

カテコで急に気遣いのある優しいおじさまになるので、同じ衣装だけど誰?!?!?!ってなった子いたんじゃないかしら。私はなった。

 

黒川想矢/チャグム

初舞台で…チャグムって難易度高くないですか?

高貴さを兼ね備えつつも素直で優しい部分もあり、父である帝からの刺客に心を痛め、それでいて民や卵への愛情を持つ王の器を…初舞台で?!

スゴすぎる。

卵に翻弄される様子なども、ドキドキするほどしっかり演じていて、すごかったです。

多分、原作の方にあった、自分になぜ卵が産み付けられたのかわかった…という会話は(とりあえずFF公演には)なかったのですが、旱魃に苦しむ民を心配する様子や、卵へ向ける心の優しさが滲み出ていたので、だからこそ君だったんだね…という気持ちになりました。

チャグムが卵を守りたいと願い、それを成就する姿と、バルサがチャグムを守り抜く姿がすごく綺麗に重なって…

 

子どもから見た時、多分、年齢が近く「庇護される側」でもあるチャグムに視線がいく…主観として見るのかなって思うんですけど、でも別に子どもは誰かに守られたいとかわざわざ思わない気がするんですよね。バルサとか、ジンとか、タンダとか、かっこいい大人に憧れる。でもこの作品では、チャグム自身も誰かを守る側であるし、守る側の性別や立場も豊富なんですよ。守るもの守られるものがシームレスにつながっている。互いが守り合っているし、自分も守る立場になれると感じられる。

加えて、カッコよくなりたいなら男みたいにならなくちゃ、誰かを守りたいなら腕力がなくちゃ、という憧れの定型がなくて、自分は自分のままでいい、っていうメッセージも受け取れるなと感じました。

 

雛形あきこ/二ノ妃・トロガイ

妃はストレート寄りの下重心で、トロガイは上重心だったので、ビジュアル的にも面白いなーと思いました。衣装の話です。というかそもそも、トロガイ背中丸めてるにしても足が長くないか??

先に兼ね役だと聞いていなかったら、同じ人だと気付かずに終わりそうな位、それぞれの個性が強くて素敵でした。

妃の母としての愛情も、トロガイの飄々としつつ頼れるところも素敵でした。杖ケツバットは笑っちゃう…



村井良大/タンダ

いいやつだな〜!!!!

バルサがある意味非日常的な動を担っているとしたら、タンダは日常的な静の担当なんですけど、そのあったかい日常性の描写が、推しの細やかな芝居と相まって大変素敵でした。

原作にもある、毒味をしてもらっていたから出来立てを食べたことがない、というエピソードが結構好きなので、タンダ鍋(汁じゃないよね?)を食べてるところは特にほっこりとしました。そういう日々や人との交流のあたたかさの中で、チャグムが変化していくのがとても可愛いしいじらしい。

 

バルサとの関係もすごくよくて〜ずっと寄り添うわけじゃないけど、求められたら決して拒まず守り抜くところ、正直かっこいいですよ。魂がイケメンすぎる。

チャグムに、娶らないのか?と聞かれたところは、なんか異様に可愛かった…似合うってそんな〜嬉しい(照)みたいな。その様子がすごい微笑ましくて、子どもさんもにっこりしてたのが面白かったです。

 

バルサとチャグムが訓練をしているところに、ご飯が出来たと呼びにくるのも可愛かったなあ。このあたり、ずっと鍋ぶたとしゃもじ兼お玉を持っていた。

 

術使って戦ってるのも良かったなあ。体術だけではなくて、知識や呪術で戦うのが、バルサの背中を守ってる感じがあって好きでした。

そういえばラルンガに切られた後、本当に薬を出して塗ってましたね。よし!って頷いてるのが可愛すぎた…。

呪文を「おー人事おー人事」と空耳して以降、古いCMが頭をよぎってしまったのが難点ですが…空耳を消すためにも、本当の呪文を教えてほしい。

 

推しの殺陣ももちろんかっこいいので見たいと思うものの、意外とやることが少ないんですよね。思えば小文吾・六郎・甚八あたりも武芸は得意ではないキャラだったので、ガッツリ殺陣をやっていたのはザッパくらい…? 壮助もそんなにやった印象がない。

どこかのタイミングで見たいですね…できれば西遊記とかで(でも馬の役なんだよな)

 

ラストもなんだかんだタンダとトロガイの気づきで大団円を迎えるので、本当に、
好き…
結婚して…
バルサと…!!!
となりました。



感想の感想

この間の「きらめく星座」の地方公演や、大好きなシルク・ド・ソレイユで子どもと共にみることも多少あり、いつも新鮮な反応に楽しんだり気づきを得たりしているのですが、今回はファミリー向けの作品ということもあり、作品そのものからも感じるものが深かったです。

当然といえば当然なんですけど、やっぱり子供騙しと子ども向けって違うんだよなと。子どもに向けているからこそ、嘘じゃない、本当のものをしっかり届けているんだなというのを感じられて良かったです。

急にぶっこむなという感じですが、ガチ恋拗らせて結婚適齢期全部推しに費やしたため(あと血縁に小さい子がいないため)、おそらく推しでも絡まない限りこういう場所に来なかったと思うので、いい機会をいただきました。

ありがとうございました。