Tida-Tiger

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月組宝塚大劇場公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』千秋楽 ライブ中継、感想

エリザ見てきたよぉおおおライビュで!!!

ライビュすら(抽選申し込みを忘れた&バタバタしてて一般発売も出遅れたのもあり)チケットが完売御礼祭りで…どうにかお譲りいただいて見ることが出来ました。ありがとうございます。

 

エリザ。好きです。何で好きかわからない。

共感できるキャラがいます!!って訳ではないので。でも何かあの物語の、帝国の崩壊というダイナミズムと私小説的な個人の感情の混ざった構成と物語と、トート閣下が好きなのかも知れません。

 

一番はじめに見たのが、2012年帝劇の瀬奈シシィ&マテトート。帝劇で見てから梅芸まで追いかけました(すうねるところの公演と日程が被っていた)

そこからさかのぼって、宝塚のDVDを見たり。公演を見に行ったり。

だからはじめの頃は、宝塚版の、トートにガッツリ人格があって、愛と死を巡る二人の物語が展開しているのに若干ビックリしました。何これ、ちょ、可愛い!!!! ルキーニも割とシシィが好きな感じで(これは特に、フィナーレで「俺だけが知っている エリザベートの愛の真実!」と元気に歌い上げるのが大きい。本編のキッチュにも歌詞としてはあるけど) こういうルキーニを推しにもやって欲しい。フィナーレで軍服着て(無理)

 

そんな昔話を挟んで、今回のエリザベート

同じ曲、同じストーリー、でもここまで解釈の表現がかわるもんだな?!となりました。

 

生きるシシィ、死たるトート

今回メインビジュアルからして、シシィとトートのニコイチ感が強かったのですが、本編もそういう感じがひしひしと伝わって…。

 

愛、と言うよりも、別たれた魂の双子、本来は寄り添い合うべき存在、みたいな感じが強いので、甘くないレベルでお互いに引き寄せ合ってる感じがしました。

 

でもどういう芝居でそう感じたのかがわからない~!!

何だろう、甘い愛をささやくというより、お前は俺の傍にいて当然、ぐらいの振る舞いをたまきさんのトート閣下がしていたのかもしれない。

「私が踊る時」とか、お互いにぐいぐいバチバチバトルしている感じがあった。くっつこうとしてもくっつけない磁石みたいな激しさ。

 

シシィ=トートで、生と死の裏表、鏡あわせ。その為、シシィの思いがトートの思いでもあり、またその行い自体もイコールで繋がる。

 

宝塚版で、トートがハンガリー独立運動活動に混ざったり、ミルクでアジテーションしているのが、これまでヤンデレ感があって最高に好きだったんです。シシィを手に入れるために崩壊を早める、みたいな印象で。

でも今回は、シシィ=トートという図式が立っている為、「シシィが世界を崩壊させている」という印象がすごい強くて! エッこの話怖い話だな?!と。

シシィがエゴイストであることは、キッチュでも歌われているし*1ハンガリーもミルクもシシィ自身が正に引き起こしているし、そもそも全編通して、女性の自律性の獲得の話という側面もあるので、元からそうだよと言われたら全くそうなんですけど。トート=シシィが前面に出ているからこそ、それがより誇張されて感じられた。

 

みやさまフランツは愛の人で可愛かった…。

いい……ゾフィの事も確かに敬愛していたし、シシィも最愛の人だった。祖国のことも愛していた。だからこそ、皇帝として縛られ続けてしまった。

出会った時のウッキウキ感が最高に可愛くて! それだけに夜のボートに至るまでが悲しい!!

 

あとルドルフのハンガリー独立の意志も*2東宝版だとガッツリドイツきたぞ~くるぞ~民族やばいぞ~~って演出が入るので、より「国を憂える皇太子」像が強いんですが。

今回は母親への憧憬と、彼女の目指したハンガリーの自由を獲得するという軌跡をたどることで、自分を母親と同一化させたい、あるいは母親に認められたいというより個人的な意志の元にやっている感じがあって、それだけに「僕はママの鏡だから」が切なく響きました。

元々、ルドルフって多重構造のキャラクターだと私は考えていて。シシィの映し鏡でありながら、彼女に惹かれ続けるフランツとトートを内包し、最期はシシィの行く末を暗示させる。だから大分短い登場シーンでも、ものすごく印象に残るし、彼がいることで、よりキャラクター同士の関係性や各々の心情が深められる。

その構造を、トートとシシィという最重要キャラで相互に行っているんだから、それは、もう、「強い」なあと。

 

作品のダイナミックさはもちろんそのままなのですが、より各キャラクターの心情が相互に描かれあう事で、世界観が目の前に広がり、感情を直に感じることが出来た……という印象があります。

 

個人的にひえぇ好きとなったシーン一覧。

・トート閣下が玉座に座っているところ

禍々しい玉座に座り、しゃれこうべを手にしているところで、ときめきつつも厨二病心が刺激されて笑いそうになってしまった。すみませんでした。好きです。

 

・割と真正面で見得を切るトート閣下

格好良すぎてひぇえってなった。小池先生はたまきちさんを背丈3mくらいあるつもりで芝居付けてる感じがします。なんかこう…かっこいいの圧がすごい。

 

・私だけに

宝塚版のトート閣下の贅沢な使い方が好き

 

ハンガリー訪問時のドレス可愛い

あそこで高確率で泣くんですけれど、今回も泣いた。たっぷり袖も可愛いけど、今回のトップはしゅっとしぎみなのも可愛かったな~

 

・闇が広がる(多分)で花道に出る時のトート閣下とルドルフ

花道中央側からのカメラで、トート閣下なめでルドルフを撮る瞬間があったのですが、ルドルフが自分の手に落ちてきたことに対して、にやりと笑うトート閣下が格好良すぎた。

 

・精神病院にて

シシィに抱かれた偽皇后が、左目から一筋涙をこぼした後、シシィの目元に涙を探して拭ってあげるのが、最高にエモかったです。泣いているのはシシィでもあったんだ…。

 

 

まなきさんのさよならショーもほんま最高で…ライビュ見れてホント良かったです…。

東京公演のライビュも申し込んだので、当たるといいなあ!

*1:でも今回の歌詞にはなかった?

*2:ルドはダブルなので、キャストさんによると思いますが