Tida-Tiger

好きなものだけ好きなだけ。

感想ごった煮(マタ・ハリ、ポーの一族)

ということで、感想ごった煮。それぞれ書くとだいぶ短くて一記事分にならないので…。

 

マタ・ハリ

加藤さんアルマン・佐藤さんラドゥ回に行きました。

やー…柚希さん美しいね…素晴らしい……格好いい…(元)男役のダルマ姿というか、美脚ラインが出てるのを見ると異様にテンションあがるのってなんですかね。ウェディングシンガーの彩吹さんしかり。

魂が眩く高潔なマタ・ハリは、その強さの説得力がすごく、女性としての自分を売りながらも、心は決して手放さない感じが美しかったです。それだけにアルマンに惚れてドイツまで行っちゃうシーンとかが健気で可愛い!

和樹さんのアルマンも可愛かった! 子犬! したたかで純真な子犬!! 佐藤さんラドゥも生真面目な軍人としての葛藤が見えて素晴らしかったです。かじゅラドゥ・とんアルも見たかった…。

私の行った回はかじゅしゅがアフタートークショーがありました。

ラドゥがマタ・ハリに迫るも袖にされてしまい、しかもそれを奥さんに目撃されるシーンで、シュガーちゃんラドゥが呆然としているのに対して、和樹さんラドゥがニタリと笑って奥さんに迫るらしく。和樹さん曰く「マタで満たせなかった仄暗い欲を奥さんで解消してやろうとしている」らしく、やべーーーエロい!!!発想がエロい!!!となりました。

かじゅラドゥ・とんアルも見たかった。(二回目)

ただ個人的に思ったのは……「役不足では…?!」ということで……。誤用ではなくて。役者さんたちが良いし、曲もいいし、ダンスも良いし、衣装も素晴らしいだけに、マタ・ハリという器・人生・キャラクターが、柚希さんとその作品の強さを受け止められるほどの深さがなかったのではないか…という……。稀代の女スパイだし、話の構成も良かったし、ラドゥとアルマンの感情もいいんですけど。

太陽王の時の、全ての女性を惹きつけながら、燦々と照り続けるそのお姿、客席下りですぐ目の前を歩いて行った時の神々しさが頭から抜けなくて…男役がいいという訳ではなく、この御方に見合った歴史を持つキャラクターが欲しいなあと思ってしまうのです…。

舞踏が最高に美しかったのと、女性的な可愛さ、脆さ、強さ、恋に弾む表情が見られたので、その点はすごくハピハピでした! もっと表情見たかったし、衣擦れの音も聞きたかったな~。今度あったらもう少し前の方で見る…!!

あとアンナが可愛くて優しくて惚れた。

 

 

花組ポーの一族

運良くゲットできたチケットで…見て参りました……美しかった…!!!!

1階後列だったので、割とオペラグラスを構えていたのですが、もう、大きくしてもエドガーだし、小さくても(シルエットや布の感じまで含めて)アランだし、何これ…ってなりました。漫画が飛び出てきたかな…??

ベースとしては吸血鬼研究家の面々が、ポーの一族についての文献や、自分自身が出会ったことを語っていく構成で、本編(エドガーの物語)の合間に研究家の会話が入る。原作の『グレンスミスの日記』…あたりの感じみたいです。

状況説明のターンは割とさっくさっく行くんですけど、心情を表す所はもうてんこ盛りのメロディでガッツリ気持ちを伝えてきてすごかったです。開演前にドラムスのアップが激しくて(それこそアップなのにRENTのWYOイントロ並に叩いていた)、ロックでもやるの…?!となっていましたが、なんか…実際すごかった。曲調とかの名前はよく分かんないので他の人に聞いて欲しいんですけど、すごかった。

小池先生演出の宝塚作品である『All For One』は、割とフランスロックミュージカルの系譜をしっかりと(曲調的にも)踏襲していたように思うのですが、ポーはなんだろう…良い感じにごった煮で…。ある意味生執事とかにも似た、日本製ゴシックロマンの裾野・懐の広さを感じました。

エドガーがアランを誘う時はキスをしない闇広感があった。あとエドガーダンサー(エドガーのメイン衣装に近いのを着たダンサーさん)が、エドガーの複雑な心情を表情とダンスで見せてくれるの、可愛い。

みりおさんエドガーの青い瞳がすごく美しくて…発色が良すぎて…。その発色のせいなのか、下瞼に青アイラインを入れているのか、白目の部分にも青く濡れたような輝きがあって、もう完全に少女漫画の眼球全黒目系美少年でした。きらっきらだった。

バンパネラである為に、様々な時代を渡り歩くんですけど、ちゃんと群衆もお衣装を年代・場所によって替えていて…その点もすごい見応えがありました……多分詳しい方なら、どの公演の衣装を兼用しているかわかるんじゃないかな。

あと! 終盤のギムナジウム制服が可愛くて!! 「哀しみのバンパネラ」のフォークアレンジ(多分)と、たった二人で寄り添い合っているエドガーとアランの姿に、時代を超えて孤独を分かち合う様子がグッと来すぎて泣きました。

とりあえず出来ればライビュ見たい。確実にブルレイは買う。そんな麗しの公演でした。