Tida-Tiger

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月組公演 『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』 感想

 

先日、月組公演 『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』『Forever LOVE!!』に行って参りました!

宝塚は、気になる演目か月組さんの公演には足を運んでいる感じですが、これで……何回目になるのかな。でもまだ片手で足りるくらい。向かいのクリエさんの方がよっぽど(といっても20回超えた程度かな)通ってるような、にわかの感想なのでゆるっと読んでくださいまし。

お芝居のほう。

なんとなく因縁深きNOBUNAGA公。村井さんファンをしているので、やっぱり信長様は他の武将とはまた謎の別枠にいる感じなのですが、まさか宝塚で、龍さんの卒業公演で観るとは…と不思議な気分になりました。まあ大変人気な武将さんですし、そこら中にいると言えばいるのですが。そういえば刀ステも信長公だった。

それはともかく。お衣装もメイクも音楽もかっこよかった! ロックな楽曲の魂が、信長の目にした夢と呼応して、テンションが上がります。

高みにある夢を自ら目指しながらも、ある意味では、乗り越えるべき障壁、そのシンボルとしての立場であることも理解している信長公の視野の広さと度量、それを演じる龍さんの強さと輝きをバリバリに感じました。

珠城さんのロルテスや、凪七さんの明智、美弥さんの羽柴の繊細で熱い信長公への想いも、卒業される龍さんと皆さんの想いがオーバーラップしているのかな?と感じられる部分があり…いろんな意味で熱かったです。

ただ少し難しいなぁと思ったのは、本能寺の変とか有名な合戦で一番盛り上げるようなド定番の構成ではないあたり。信長公!ひゃーかっこいい!!ばばばばーん!!!!っていうのではないんですな。

合戦前後の陣営内であった内幕物の群像劇、という感じ。日本への宣教にまつわる歴史的新解釈を交えつつ、ロルテスだけでなく各武将、足利氏の心情やそこに至る背景まで、細かく拾っているため、意外と地味で難解なのです。細やかなお芝居や表情が、ロックな音楽と共に堪能できるので楽しいのですが、もう一つだけパンチが欲しかったかなあとは思ってしまいました…冒頭の敦盛とか、すっごいかっこいいので…。

あっ!! でも限りなく個人的な好みなんですけど、女忍者がいっぱいいて可愛かったです!!!! 真田十勇士でも、ほたるちゃん大好きすぎて、自分としても疑問だったんですけど、どうやら女忍者(くのいちと言うよりは女忍者とか女忍表記のちょい無骨感が好き)が萌え属性らしいです。この作品で初めて知りました。黒系ミニ丈着物に額当てにタイツ素晴らしい。っていうとヘンタイっぽくなるのはなんでだ。それはともかく、帰蝶さまもあざみちゃんも、かっこいいのに可愛くてたまらない。女性陣の強さ(家臣団の妻達)も良かったのです。これもまた群像劇としての作劇が生きている部分でもあるのかなあ。

ショウのほうも、めちゃくちゃかっこよかったです! ピンクのお衣装が可愛いやら、クールやらで…衣装替えも良くて好きでした。途中の場がなんとなく獣王星アースカラーのちょっとワイルドな衣装)。終盤の盛り上げも凄いかっこよくて…メインテーマの耳に残りやすさも良かったです。らーぶらーぶらーぶふぉーえばーらーぶ。

王家の紋章 感想

王家の紋章、千秋楽おめでとうございます! 時空超越の喝采の鳴り響く中、すでに再演が決定している王家…同じ4月上演予定の「シアタークリエ『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』」共々、本当に楽しみです!*1

私は8/26のお昼の部を見に行きました。Wキャスト組は、キャロルちゃんが宮澤佐江さん、イズミル王子が平方元基くんでした。セチ役で出演を予定しいた高橋龍輝くんはは、体調不良の為、降板。代わりに工藤広夢くんがセチ役に、橋田康が新たに出演することになったそうです。

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劇場に入って、舞台上に吊られたメンフィス王の飾りを模した大型美術が目を引きます。きれいなブルーなのですが、所々欠けがあり、王家の歴史を感じさせました。左右の袖ごとに大きな柱。それぞれにヒエログリフがあしらってあり…絵ではありますがヒエログリフも文字は文字なので、ずっと(何が書いてあるんだろう……)と気になり続けていました。本当に、何が書いてあったんだろう。遊戯王クラスタさんとか王家でエジプトにはまった人に聞いてみたい。

公式のあらすじ。

16歳のアメリカ人キャロル・リードは、エジプトで大好きな考古学を学んでいる。頼もしい兄や、友達や教授に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。
ある日、とあるピラミッドの発掘に参加するが、そこは古代エジプトの少年王・メンフィスの墓だった。ピラミッドに眠っていた美しい少年王のマスク、古代エジプトへのロマンに沸き立つキャロル。
そんななか、アイシスという謎の美女が突然現れる。記憶をなくしているという彼女は、キャロルに優しく近づき、リード家で面倒をみることになるが、実はアイシス古代エジプトの神殿の祭司でメンフィスの異母姉。メンフィスの墓を暴いたことによる祟りを起こすため、現代に現れたのだ。彼女の呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。
キャロルは、エジプト人にはありえない金髪碧眼に白い肌。そして、考古学の知識と現代の知恵を持つ。やがて古代エジプト人達から、“ナイルの娘”“黄金の姫”と呼ばれ、崇められる様になるが、キャロルは現代を懐かしみ、帰りたいと願っていた。しかし、メンフィスから求愛を受けるようになり、強引で美しい若き王メンフィスに反発しながらも心惹かれてゆく。だが、メンフィスを愛するあまり憎きキャロルの暗殺を企てるアイシスや、キャロルの英知と美しさにほれ込み、彼女を奪おうとするヒッタイト王子・イズミルなど、2人の間には数々の困難が立ちふさがる。
果たしてメンフィスとキャロルの運命は――。

萌えるド定番ド直球で…。私自身がオタクなこともあり、タイムスリップものや異世界転生ものの「現代人が過去(異世界)に行って、その能力で崇められるよ!」設定になじみすぎて、いろいろと嫌みなこと*2が頭の中を掠めてしまうのですが、とにかくキャラクターの個性が激しく、キャラが立ちまくっていて…このキャラ達の話が観られるなら細けぇことはいいんだよ!!という気分になりました。

一幕では、ブラコン女王アイシス様と、シスコン総帥ライアン様の、時空超越したきょうだい愛の二重奏が、歌唱力と演技力の暴力で観客を打ち据えていて、素晴らしかったです。アイシス様の愛する弟の墓を荒らしたから呪う歌が凄い鬼気迫っていて、好き…ってなりました。ライアン様は、出番こそそう多くは無いのですが、いることでキャロルの現世への想いや、兄妹の絆を強く感じさせてくれるので、本当に印象深かったです。

キャロルも可愛かった…設定も性格も動きもプロ・ヒロインで……。なんかもう本当に、こじらせたオタクで申し訳ないんですけど、「何?!ヒロインはちょっと勝ち気で正義感があって、俺様ヒーローを張り手しなきゃならないの?!!花男でも観たわ!!!」ってなっちゃって。ちょいちょい軽率なのとか、最近のプロ転生者(?)ならもっと手際よくメンフィスを助けちゃうよな~とか、いろいろ考えちゃう。

でも段々可愛くなっていく…それが悔しい…でもやっぱ可愛い…! 初々しく惹かれては離れて、でも遠ざかるごとに想いが強まって……っていう想いが、最高すぎる歌を交えて丁寧に表現されているので、段々ときゅんきゅんしてしまうんですよ。宮澤さんのキャロルがまた、愛らしく軽やかで…瞳がきらきらしていてたまらなかった!

どちらかといえばアイシス様派で、あと後述しますけどイズミル王子が大好きなので、最終的にはメンアイ・イズキャロカップルに落ち着いて欲しいんですけど(原作未読なので好き勝手言う)、そういうことを思うくらいには、キャラクターに引き込まれてしまいました。難しいならイズアイがくっついてあの時代に残って、メンキャロで現代に戻って欲しい。お兄ちゃんを安心させてあげて。

メンフィスの少年王らしいオラオラ感も可愛い。キャロルの扱いが雑で可愛い。イムホテップ様が「あなたの領地は素晴らしい♪」って朗々と歌っている間中、キャロルににこにこちょっかい出していて可愛かった。音が高い?のもさわやかに歌いこなしていて、浦井さんすっごいなぁ!となりました。

ものすごくアホな感想なんで、話の合間に挟んでしまいますけど、エジプトとヒッタイトの位置関係がわからなかったり、この人達どこに立っているんだろう?っていうシーンがあったりして、ちょっと迷うことがありました。心情などを歌うシーンも、歌うシーン!って感じになっていて、その分気持ちやお芝居はまっすぐ受け取れるのですが、やっぱり、どこにいるのかわからなくて。前の方のお席を譲っていただいたので、キャストさんの細やかなお芝居がしっかり見えていたのですが、もしかすると、投影されている映像は見損ねていたのかなとも思います…。

話戻って。ルカちゃん。可愛い。賢い。偉い。脚がいい。幕間とか終演後に「あの女の子のような顔の……」「初めて観たけど、いいわねぇ…」という声がめちゃくちゃ聞こえてきて、せやろ、せやな…と心の中でうなずきました。私もそこまで観ているわけでは無いのでアレですが、ミュキャスでその他2.5次元もやっていた方が東宝・帝劇メインのお姉様がたの心にガツンとかましているのを見るとちょっと嬉しくなります。ウナスちゃんも可愛くて…献身的で…Twitterで回ってきていた、キャロル・ルカ・ウナスの三人で市中に出てダンスするシーンの絵が可愛くて、そこを楽しみにしていたのですが、実際見ても可愛かったです。ウナスは警戒してて気もそぞろだし、ルカちゃんは、イズミル王子が来るのを待っているのか、目が全然笑ってないのがまた良かった。

そしてイズミル王子。なんか凄い…好みでした…元基くんのイズミルだからもあるのかな。妹ミタムンをアイシス様に残虐に殺され、その復讐を心に誓い、腹心ルカからの言葉もあり、メンフィスが大切にしているキャロルを攫うも、段々と聡明で優しい彼女に惹かれていき…しかし度々、焼き殺されたミタムンの姿が去来しては(リアルにミタムンが袖から躍り出てくるので、本当に怖いし想いを感じる)、心は千々に乱れ……という、ナイスヤンデレオラオラ王子…最高……。キャロルがメンフィスに向ける視線に、愛があってたまらなかったんですけど、そうなると余計に、イズミルが悔しげにメンフィスを睨む目が燃えているように感じられて、たまらないのです。

あと、キャロルに対して、鞭を振るうシーンがあるのですが、そこがなんかメチャクチャ萌えてしまいました。お姿がとても美しい上に、む、む、むちを振るうなんて! 元基くんは、割と明るい性格のイメージがあったので、こういう役をしていると、ギャップ萌えもしてしまいます。セチちゃんもすごいいい子で健気で…彼の最期の所は、キャロルと一緒に悲しくなってしまいました。そうするとまた、無残に散っていくエジプト兵をあざ笑っていたのに、キャロルが泣くのを見て動揺するイズミルの様子が…胸に来て……。

今回は1回しか観ていないのですが、このキャロルとイズミルのカップル(違う)で観られて良かったなぁと、しみじみ思いました。来年は…チケットがとれれば、別のカップルも観たいなぁ。あと、来年の後に、帝一の國形式で、原作より先に完結編とかやっちゃおう? このキャストで出来るうちに、最後まで観たいッ……。

*1:隙みれば 推しを推してく 寅太です(一句)

*2:その程度で崇められる?とか、考古学って大まかな歴史は把握してるにしてもタイムスリップで役に立たないよなあとか。異世界転生は特に、最近ではお仕事ものとくっついて、異様に世界観×主人公の職種のバリエーションが増えているので…